一般的に、産業保健師が受ける企業の面接官は医療関係者ではない事務職の方です。
また、病院やクリニックなどの医療の現場にいると、無意識に一般常識からずれていることがありますので、産業保健の場である企業は、医療現場ではないということを意識して面接に望むことが大切です。
このページでは、私自身が実際に面接官から質問されたことをご紹介致しますので、面接対策の一貫として役立てていただければ幸いです。
1.産業保健師への志望理由
産業保健師の面接では、企業の志望動機よりも、なぜ産業保健をしたいのかという点を重要視されます。
特に今まで産業保健に関わってきていないのであれば、自分がどうして病院やクリニックなどの医療機関ではなく、産業保健をしたいのかという明確な動機を説明できるようにしておきましょう。
病気の予防・健康促進活動を行っていきたい旨を伝える
産業保健の業務内容を把握した上で、産業保健をしていきたいと伝えることが重要です。病気を治療看護していくのではなく、病気を予防していく、健康を維持していくという産業保健の目的に沿う志望を伝えましょう。
勤務体制を志望理由にするのはナンセンス
企業は一般的に、夜勤や変則勤務が無く、完全週休2日制、福利厚生がしっかりしているなど、実務以外の勤務体制の部分に魅力を感じて転職する人も多いです。
しかし、それが当たり前の職場である事務方の面接官には、その魅力は響かないことが多いです。また、業務内容を理解していないと判断されることもあるかもしれません。
私の場合は、神経内科での経験が長く、そこで受け持つ患者は1年以上も長期入院している方がほとんどでした。
その中で看護の対象は患者だけでなく家族も含まれており、家族の状況、健康にも関わってきました。
それをきっかけに健康な方に対しても、看護師として何か手助けできないかと思うようになり、従業員の健康維持、疾病予防がメインの産業保健の仕事に興味を持ったことを志望理由として伝えました。
2.前職を退職した理由
辞める理由は、人それぞれでしょう。結婚や転居にて通勤不可能になった、契約社員や派遣社員の契約終了など、致し方ないことでの退職理由はそのまま伝えても全く問題ありません。
マイナスな退職理由はNG
一方で、マイナスな理由で退職した人も多いでしょう。その場合、人間関係でのトラブル、給料が安い、残業が多い、夜勤をしたくない、通勤時間がかかるなど、自分都合なことや、前職の悪いところをあげてしまいがちです。
当然のことですが、これでは面接官にあまり良い印象を与えません。
過去に何があっても退職理由は「前向き」であるべき
面接では円満に退職したように、面接官に伝えることが好印象を与えます。
そのため、過去に何があったにせよ「新しい分野に挑戦したかった」「スキルアップしたかった」などといったような、前向きな理由を伝えていくようにしましょう。
3.今までどのようなことをして何を学んできたか
面接は、履歴書と職務経歴書を基に進んでいきます。面接官が医療関係者ではないこともあるため、○○内科や○○外科と記載してあっても、どんな病気の患者を対象にしてきたのか、どのような仕事をしてきたのかが伝わりにくいことがあります。
そのため、医療関係者以外に説明できるよう、難しい専門用語は使わずに、自己の経歴を説明できるようにしておきましょう。
産業保健の経験は積極的にアピールすること
産業保健の経験がある方は、その経験をアピールしていくべきです。なぜなら企業側は産業保健師に対し、臨床経験よりも産業保健経験、学校や企業での就職経験を重視することが多いからです。
ポイント!
医療業務以外の一般的なパソコン業務や電話対応などの事務も抵抗無くできるようであれば、それも積極的に伝えていくようにしましょう。
4.今後のプライベートな予定
企業の面接では、結婚や出産などライフスタイルの変化に対する予定を聞かれる場合があります。
表向きは結婚・出産の予定があっても大丈夫だが・・・・
結婚・出産などの予定があるからと言って、不採用ということは、表向きはありません。
ただ、産業保健師は少人数体制もしくは1人体制ということが多く、その中で結婚や出産、それに伴う転居が理由の退職や、産休育休中があると、企業側はまた新たに求人を出したり代替派遣を依頼したりしなければいけなくなります。
そのため、企業としては、新しく雇用したスタッフが、すぐに退職や休職ということは避けたいところなのです。
ポイント!
上記のような理由があるため、プライベートに関する質問があった場合、予定があったとしても、特に無いですと答えるのが無難です。
5.企業の志望理由
企業に就職するときに、必ず何故この企業にしたか聞かれるはずですが、ここでの回答はあまり重要視されません。
なぜなら、企業が産業保健師に求めることは従業員の健康管理であり、企業自体の発展や成長に関することではないからです。
求人案件に出ている情報は頭に入れておこう
いくら企業の志望理由が重要視されないからといって、全くどんな企業かを知らないで面接に望むので相手方に対し、「失礼」にも値します。
企業がどのような分野の企業なのか、どこにあるのかなど求人案件に出ている情報を頭に入れておきましょう。
私は複数社の面接を受けましたが、企業の志望理由はほとんど聞かれませんでした。
ただテレビ・ラジオ局を受けたときに、「面談に影響しませんが、ラジオを聞きますか?」と尋ねられて、私は聞いていなかったので、「聞いていません。」と正直に答えました。
まとめ
産業保健師が受ける企業の面接は、病院やクリニックよりも面接は、きっちりしています。
新卒のように、完全なるスーツではなくても構わないというところもあるようですが、髪型や服装、持ち物も、社会人として恥ずかしくない格好で面接に望みましょう。
面接の流れとしては、面接官から業務の流れを説明され、上記の質問があると思います。また質問がないか尋ねられることもありますので、必ず事前に1、2つは質問事項を考えておきましょう。
また、面接対策を強化したい方は「産業保健師の面接でライバルに差をつけるためのポイント3つ」の記事も参考にしてみてください。
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