近年、キャリアアップのために大学院へ進学する保健師が増加傾向にあります。
しかしながら、大学院入試やその後の学生生活に関する情報は、学部受験よりも圧倒的に情報が少なく、どの大学院、研究室が自分に合っているのか、やりたいことがほんとにできるのか、疑問に感じている方も多いでしょう。
そこでこのページでは、保健師が通う大学院・研究室選び方から試験対策まで紹介します。
1.保健師がキャリアアップできる大学院の選び方
そもそも、「保健師がキャリアアップできる大学院」と言われてもなかなかイメージがつかない人も多いのではないでしょうか。
以下に、キャリアアップをしてきた保健師の先輩方がどのような大学院へ進学していたのか具体例を記載しています。
- 公衆衛生看護学コースが設置してある大学院
- 地域看護専門看護師の資格が取得できる大学院
- 広域看護学コースが設置してある大学院
- 産業保健高度専門職養成コースが設置してある大学院etc.
近年、地域看護への期待と注目は高まるばかりですので、今後も保健師のスペシャリストを育成する大学院のコースは増え続けていくことが予想されています。
まずは大学・大学院の情報を集めよう
自分にはどの大学院が向いているか、大学院のパンフレットやホームページだけでは、見ていても中々ピンとこず、わかりにくいことが多々あります。
まずは、興味ある大学院・研究室に通っている・通っていた方の生の情報をインターネットや知り合い等をつたってなるべく得るようにしましょう。
その際は、SNSを利用してみるのもおすすめです。
ポイント!
研究室を選ぶ際に一番大事なポイントは、大学名といったネームバリューではなく、自分のやりたい研究ができるかです。
自分がやりたい研究ができるか確認しよう
似たような分野の研究室の名前であったとしても、教授がどんな研究をしているかで、研究室によって研究活動内容が全く異なります。
そこではどんな研究、論文発表しているか、研究実績を必ず確認して、自分がやりたい研究と合っているか、もしくは異なったとしても研究可能か、必ず確認しましょう。
オープンキャンパスには絶対行くべき
いざ入学したら、自分のやりたいことができなかった、となってはとてももったいないことです。大学院によってはオープンキャンパスを実施しているところもあるので、気になる研究室があれば気軽に参加してみましょう。研究室の方とも知り合えるチャンスです。
看護系以外の大学・大学院もチェック
研究室選びのポイントとしては、必ずしも看護系大学院に絞る必要はありません。看護系以外でも、看護や保健に関する研究をしている研究室はたくさんあります。
社会科学系、人文科学系、公衆衛生学系など幅広く視野を広げて情報収集してみましょう。その場合、入学後は看護系以外の人たちと沢山触れ合えるため、とても人生観が変わります。
研究室訪問をしよう
研究室によっては、試験前の研究室訪問を必要としている場合と必要としていない場合があります。例え研究室が自宅から遠かったとしても、研究室訪問は可能な限りしましょう。
教授に直接話を聞いてみる
研究室の長である教授と実際に話をして、自分のやりたい研究内容を伝え、実際にコミュニケーションをとり、研究だけでなく相性を知ることはとても重要です。
研究室の雰囲気を探る
研究室内の研究員や院生はどんな方が所属しているのか、その方々の研究内容も含めて、研究室内の雰囲気を知れる絶好のチャンスです。
大学院生活は、学部生活と異なり、研究室メンバーと多くの時間を過ごすことになり、学生生活を大きく左右します。そのたまにも事前訪問は必ずしましょう。
2.大学院の試験対策について
いざ研究室が決まったら次は試験対策です。
ポイントをおさえ、確実に合格できるよう万全な対策をしていきましょう。
研究計画書は第三者に必ず見てもらおう
願書とともに提出する研究計画書は、必ず第三者にも見てもらい、アドバイスをもらいましょう。もし可能であれば、志望する研究室の方に見てもらうのも良いでしょう。
差がつくのは英語!力を入れて勉強しよう
試験科目は、たいていは英語、専門試験(小論文)、面接です。過去問題は教務課から必ず取り寄せましょう。英語、専門試験で他の受験生と差がつくのは英語です。ですので、英語は万全の対策でのぞむようにしましょう。
英語の試験対策
まず英語対策ですが、過去問で出題された長文は、何度も読み込み(精読)ましょう。また、出典元の他の論文や記事も読み込みましょう。
これによって試験分野の英文のパターン、言い回しの傾向がつかめるでしょう。英語の勉強だけでなく、専門知識も身に付きます。
当日は辞書持ち込みが可能な場合が多いですが、辞書を引いている時間がもったいないので、上記の論文、記事でよく使われている英単語はこの際に覚えておきましょう。入学後の研究活動にも役立ちます。
専門試験対策は過去問で対策
専門試験対策も同様に、過去問題が引用している雑誌で関連する他の記事等を取り寄せ、目を通して知識を増やしておきましょう。
また、志望研究室が出版している論文や雑誌記事等も可能な限り取り寄せて目を通しておきましょう。もし余裕があれば他の研究室の研究論文等も読んでおくと尚良いでしょう。
面接対策もしっかりしておこう
面接では、当日までにあらかじめ聞かれるような質問は答えられるように準備しておきましょう。当日、予想していなかった質問が必ずされます。
ポイント!
慌てて動じてしまって曖昧に答えてしまい、あとで後悔しないよう「少し考える時間をいただいでもよろしいでしょうか」などと正直に伝え、自分の意見をしっかりと解答できるようにしましょう。
まとめ:大学院へ入って視野を広げていこう!
大学院研究室の選び方から試験対策までのポイントをあげました。
無事、大学院に入学できた暁には、学生を思いっきり楽しむようにしてください。そして、自分のやりたい研究分野だけでなく、他の分野の研究者とも接点をもち、ご自分の価値観や視野をたくさん広げられるようにしてみてください。
きっと人生観が変わります。そのためにも後悔のない研究室選びをしてくださいね。
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