保健師が仕事をするうえで役立つ本には、どんなものがあるのでしょうか。
私たち専門職は常に最新の知識を学び、必要な情報を適切に入手する必要があります。
法律の改正もあり、学生の頃に勉強した知識だけでは追いつきません。
また、保健師といっても地域、産業、学校など様々な分野での働き方があります。
例えば、地域で働く保健師から産業で働く保健師に転職しようと考えた時には、また違う分野で働くことになるため勉強しなければなりません。
ここでは、私が働くうえで非常に参考になった、保健師におすすめの本をご紹介します。
1.モチベーションが高まる「保健師ジャーナル」
2.最新情報を学べる「国民衛生の動向 厚生の指標 増刊」
3.学校保健が分かる「保健師・養護教諭になるには」
4.発達障害を学べる「地域保健活動のための発達障害の知識と対応」
5.健診に役立つ「別冊NHK きょうの健康 検査でわかること」
まとめ
1.モチベーションが高まる「保健師ジャーナル」
(画像引用元:amazon.co.jp)
タイトル | 保健師ジャーナル |
出版社 | 医学書院 |
「保健師ジャーナル」は、タイトルに「保健師」と名が付く唯一の保健師向けの月刊雑誌です。
大手出版社の医学書院が発行しており、大変歴史の長い雑誌です。
保健師が悩む日常の事やタイムリーなテーマもあり、内容が充実しています。
保健師が実際に行った研究が掲載されている
この雑誌では、保健師が実際に行った研究が掲載されてます。また、全国で開催される学会情報も掲載されています。
さらに研究や調査報告、活動報告の投稿を募集しているため、モチベーションが高めることにも一役買ってくれるでしょう。
ポイント!
「保健師ジャーナル」には電子版もあるため、実際に書籍が手に入らなくても情報を得ることができます。
月刊誌なので興味があるテーマだけ購入することも可能です。もちろん、年間購読もできます。
2.最新情報を学べる「国民衛生の動向 厚生の指標 増刊」
(画像引用元:amazon.co.jp)
タイトル | 国民衛生の動向 厚生の指標 増刊 |
著作 | 厚生労働統計協会 |
出版社 | 厚生労働統計協会 |
「国民衛生の動向 厚生の指標 増刊」は、月刊誌「厚生の指標」の増刊として毎年8月頃に発行されています。
昭和25年から発行されており、看護師や保健師の学生時代の教科書として利用されていたこともあり、よく知られている本です。
保健・医療・介護に関する法改正や計画策定、報酬改正といった詳しい内容から、人口動態から感染症、傷病などの最新の統計も掲載されています。
行政保健師の仕事に役立つ
「国民衛生の動向 厚生の指標 増刊」は毎年出版されており最新の情報が掲載されているため、法改正など最新の情報を学びたい保健師におすすめです。
私は行政で保健師として働いていた頃に「国民衛生の動向 厚生の指標 増刊」をよく読み、役立てていました。
ブランクのある保健師にもおすすめ
保健師でも一度退職しブランクがあいてしまうと、自分の得意分野であっても法律の改正があり、現状が把握しづらくなってしまいます。
そんな時にこの最新版の本を読むと、最新の情報を学ぶことができるため大変おすすめです。
3.学校保健が分かる「保健師・養護教諭になるには」
(画像引用元:amazon.co.jp)
タイトル | 保健師・養護教諭になるには |
著作 | 山崎 京子/鈴木 るり子/標 美奈子/堀篭 ちづ子 |
出版社 | ぺりかん社 |
出版日 | 2017年5月 |
「保健師・養護教諭になるには」の監修、編著者は大学の看護学部長や教授です。
実際の保健師の仕事内容はもちろん、保健師養成学校で学ぶ内容や資格取得の方法も詳しく載っています。
これから進路を決めていこうと悩まれている学生に向けて、図書館にはティーン向けのコーナーに置いてあることもあります。
他の分野に視野を広げたい保健師におすすめ
「保健師・養護教諭になるには」には、保健師としてはもちろん養護教諭としての分野も詳しく掲載されています。
市町村の保健師はもちろん、
- 都道府県の保健師
- 産業保健師
- 地域包括支援センターの保健師
以上の分野の仕事内容も詳しく記載されています。そのため、他の分野の仕事内容を知りたいという保健師におすすめの本です。
転職の際に職業選択の幅が広がる
保健師として転職しようと考えたときに、どの分野に進もうと悩むこともあります。
そういった時に、「保健師・養護教諭になるには」を読むことで、自分の経験したことのない保健師の新たな分野を学ぶことができます。
養護教諭にしても、保健師の国家試験合格の際に養護教諭を申請して資格だけは取得していますが、実際に働いたことがないため仕事内容が掲載されているこの本は大変参考になります。
4.発達障害を学べる「地域保健活動のための発達障害の知識と対応」
(画像引用元:amazon.co.jp)
タイトル | 地域保健活動のための発達障害の知識と対応-ライフサイクルを通じた支援に向けて- |
著作 | 平岩 幹男 |
出版社 | 医学書院 |
出版日 | 2008年12月 |
こちらの本では、幼児期から成人期のライフステージ別に発達障害の問題を取り上げています。
また著者は医学博士、小児科・小児神経科専門医であり、乳幼児健診や発達障害を専門に、様々な書籍を発行しています。
保健師であれば発達障害者への適切な対応がとれるべき
学校で働くにしろ、行政で働くにしろ、企業で働くしろ、保健師が接する対象者の中には必ず「発達障害」を抱える人がいます。
そのため、保健師であればこうした本を活用して発達障害者への適切な対応がとれるよう、日頃から準備しておくようにしましょう。
5.健診に役立つ「別冊NHK きょうの健康 検査でわかること」
(画像引用元:amazon.co.jp)
タイトル | 別冊NHK きょうの健康 検査でわかること-健康診断ガイドブック- |
著作 | NHK出版 |
出版社 | NHK出版 |
出版日 | 2007年4月 |
「NHKきょうの健康」はお馴染みの長寿番組です。テキストも豊富に出版されており、その中から加筆再編集されています。
「別冊NHK きょうの健康 検査でわかること-健康診断ガイドブック-」では、
- 健康診断の受け方
- 検査項目
- 検査法
などがわかりやすく記載されています。医療職向けではなく一般市民向けの冊子であるためとても読みやすいです。
看護師の時の知識の復習にもなる
「別冊NHK きょうの健康 検査でわかること-健康診断ガイドブック-」には、健診など検査のあらゆる情報が掲載されています。
私は心電図を読むことが苦手でしたが、異常所見の例が載っていたため勉強になりました。看護師の時の知識の復習もよくできます。
ポイント!
特定健診で使われる検査項目はもちろん、胃がん大腸がん検診、胸部エックス線検査といったことも記載されているのでとても役立ちます。
検査の正常値も掲載されており、特定保健指導や健診の結果説明会の際に参考になればと思い、いつもそばに置いていました。
まとめ
今回ご紹介した本は、私が行政で市町村保健師として勤務していた経験から選びました。
どれも、実際に働く上で非常に役立ったのは言うまでもありません。
もし、保健師として行き詰った時に少しでも今回紹介した本が参考になれば幸いです。
<この記事が保健師の方のお役に立てたらシェアお願いします。>