養護教諭として働く保健師の仕事内容には、健康診断や、保健に関する広報による生徒の健康維持と健康意識の啓蒙、登校後に怪我や病気による不調を訴えた生徒の応急処置や病院への付添、精神的なケアが必要な生徒のサポートなどがあります。
養護教諭として働く保健師になるためには、資格が必要となりますので、転職するための資格、仕事内容や働くメリット・デメリット、求人の探し方までお伝えしているページです。
1.保健師が養護教諭に転職するための資格
保健師が養護教諭に転職する場合、まずは転職先を探す前に、養護教諭として働く資格があるかどうかを確認しましょう。
■養護教諭2種免許または養護教諭1種免許を保有していること
■教育委員会の教員採用試験に合格すること
養護教諭はあくまで「教諭」ですので、基本的には教員免許が必要になります。とはいえ、通常看護師から保健師の資格を取り養護教諭になろうという人は、看護師免許や保健師免許は持っていても教員免許までは持っていないものです。
そのため、保健師が養護教諭として働くためには、教育委員会に申請して養護教員2種免許を取得することが必要になります。
養護教諭2種免許について
養護教員2種免許は、保健師の資格に加えて文部科学省令によって定められた4科目8単位を取得していることが条件になっています。近年、この単位取得に対する確認が厳しくなっているため、単位不足で免許が取れない人が増えてきています。
教員採用試験について
転職するにあたっては教員採用試験も受験する必要があり、養護教員は人気が高いためかなりの倍率の試験で合格する必要があります。
ポイント!
子供の相手が上手くできないと仕事がスムーズにできませんし、保護者とのやり取りもありますから、病院勤務とはまた違った人間関係の難しさを感じることになるでしょうが、そのぶん、やりがいのある仕事だというのは間違いありません。
2.養護教諭での保健師仕事内容について
養護教諭での保健師仕事内容とは、いつ怪我や病気の生徒が来てもいいように、基本的には保健室に常駐し、作業はそこで行うのが一般的です。健康診断の準備や生徒に配布する保健室だよりなどの作成は、生徒のケアの合間に行なっています。
伝染病の予防対策も仕事のひとつ
インフルエンザなどの流行性疾患の多いシーズンは特に、予防方法などの周知を図るなど、伝染病の予防対策を行うのも大切な仕事です。
こうした流行性の疾患が学校内に流行った場合には、各学年、各クラスの羅漢状況を把握し、予防の徹底を訴えると同時に現在の流行状況なども開示します。
メンタルケアの重要性
最近では、保健室登校といって教室への登校が難しい生徒が保健室で自習を行なったり、友人関係や家庭の問題で悩みを抱える生徒の精神的なケアを行うなど、生徒をメンタル面で支える業務も増えており、保健室の役割は以前よりも重要になっていると言えるでしょう。
担任と連携を取りながら、生徒が元気に登校できるようにサポートしていくのも養護教諭の大切な仕事です。
3.保健師が養護教諭で働くメリット
保健師が養護教諭で働くメリットとして、比較的落ち着いた環境で安定した仕事ができるということが挙げられます。
もちろん、急に怪我や病気になった子どものケアが必要になることもありますが、その場合は病院に付き添って行くのが原則なので、保健室で行うケアとしてはあくまで応急処置的なものに過ぎません。
季節にもよりますが、病院のようにひっきりなしに患者さんが訪れる環境ではないので、総合病院の看護師に比べるとかなりゆったりと働けるのではないでしょうか。
公務員なため給与・福利厚生が水準より高い
公立学校の場合は養護教諭も公務員ということになり教員試験は難関ですが、採用されればその後は安定した雇用がある上、給料も水準より高く、産休などの福利厚生もしっかりしているなど待遇面でのメリットは多いです。
もちろん夜勤はありませんし、残業も比較的少なくなります。
仕事内容にやりがいを感じる保健師も多い
なんといっても大きなメリットは、毎日子どもたちの健康を守るという仕事にやりがいを感じることです。入学してきた生徒が大きく成長する姿を見るのは、養護教員に限ったことではありませんが教員の喜びのひとつです。
ポイント!
養護教員は生徒の精神的なケアも行うため生徒の相談に乗ることも多く、メンタルサポートにやりがいを感じる人も多くいます。
4.保健師が養護教諭で働くデメリット
保健師が養護教諭として働くデメリットとして、比較的少ないものの、最近耳にするのが生徒の精神的なケアが難しいという声です。
保健室は怪我や病気などの子供が手当てを受けるだけでなく、担任には話しにくい悩みを相談したり、教室への登校に抵抗がある生徒に居場所を与える役割も果たしています。
精神的なケアは難しく責任も大きい
最近は、いじめなどの問題により保健室や養護教諭に対する精神的なケアへの期待がさらに高まっています。多感な年頃の生徒の精神的なケアは難しく、未来のある学生ということで責任は重大です。
場合によっては親も交えたコミュニケーションが必要になりますし、対応によっては保護者からのクレームがあったりと非常に難しい仕事ではあります。
緊急な判断が求められる責任も
基本的には学校に一人の配置になりますので、その学校における保健に関しては責任者の立場となるほか、怪我をした子供を病院に連れて行くかどうか親と連絡が取れないときにどうすればよいかなど、急ぎの判断を迫られることも多く、責任の重さを負担に感じる人もいます。
ポイント!
養護教諭は欠員補充による採用がほとんどであり、求人そのものが非常に少ないので、なりたくてもなれないという人が大半です。しかも、少子化の進行によって今後さらに採用が厳しくなることが予想されています。
5.保健師が養護教諭での募集求人を探す方法
保健師が養護教諭の募集求人を探す場合、公立の学校の場合は公務員になりますので、正規の教員試験を受けて合格するしかありません。難易度も競争率も高い試験ですが、合格すれば公務員となるので比較的安定した仕事に就くことが可能です。
私立学校の転職求人に関して
私立学校の場合は一般に求人がでることもあります。
とはいえ、学校の絶対数もそれほど多くない上、学校に1人しか必要ない養護教員の欠員募集となると滅多に目にすることはないでしょう。
転職求人サイトなどに登録し、担当コンサルタントに養護教諭の仕事を探している旨を伝えておくことで、求人があった際に優先的に知らせてもらえるケースもあります。それでも競争率は高く簡単ではありませんが、少なくとも求人の情報を入手することは可能でしょう。
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