よく看護師だけではなく、社会人として言われる「同じ場所に3年いて一人前になるよ」という言葉があります。
私もよく先輩方から呪文のように言われてきた言葉です。
では実際のところ、産業保健師に転職する場合は看護師1年のキャリアで可能なのでしょうか。
私の経験上、その答えは『可能』です。
1.看護師1年目でも大企業なら採用されやすい
・大企業は企業の色に染まる人物を求めている
・中小企業はキャリア重視のため採用されづらい
2.看護師1年目で産業保健師へ転職する注意点
(1)面接では志望理由をしっかりアピールする
(2)教育体制が整っていない企業は避ける
(3)企業によっては採血を行う可能性がある
3.まとめ
1.看護師1年目でも大企業なら採用されやすい
一般的に、看護師1年目であっても、大企業の産業保健師なら採用されやすい傾向にあります。
なぜなら、企業としては看護師としてのキャリアが不要になるからです。
大企業は企業の色に染まる人物を求めている
長く勤務してもらう目的もあるのですが、余計な社会の知識や擦れがある人物よりも新卒で企業の色に染まってもらえる人物が欲しいと考えている所が多いからです。
そのため、大企業への転職を狙っているのであれば、卒後1~3年の間が勝負です。
中小企業はキャリア重視のため採用されづらい
保健師を取得後、ある程度の年数を超えると、今度は『産業保健師』としてのキャリアがないと就職できない状態に陥ります。
なぜなら、中小企業の産業保健師は少ない所は2~3人しかおらず、新しく入社してきた産業保健師には「即戦力」が求められるためです。
2.看護師1年目で産業保健師へ転職する注意点
看護師1年目で保健師へ転職する最大の注意点としては、看護師に戻ることがあれば1からやり直しになってしまうことでしょう。
その他にも以下のような注意点があります。
(1)面接では志望理由をしっかりアピールする
1年目の看護師は、企業の面接において産業保健師になりたいと思っている理由・意思を履歴書や面接でしっかりとアピールをする必要があります。
それは、「看護師の仕事が嫌になったから次は産業保健師になろう」という安直に考える人が少なからずいるからです。
そういった人物だと思われないよう、面接準備は入念にやっておきましょう。
産業保健師の仕事は看護の延長であることを忘れないで
保健師と看護師は全く違うように感じている方もいるかもしれませんが、保健師であっても、看護は根本にあるので、看護から逃れることはできません。
産業保健師は、病院へ通院して病気を治療しつつ仕事を継続していく人に寄り添い、周囲で働く人々と話し合いをしながら、彼らのより良い職場環境を提供できるよう努めるからです。
こういったことを踏まえると、産業保健師は治療のための環境整備を行う看護師の延長上にあることが見えてくるのではないでしょうか。
ポイント!
繰り返しになりますが、保健師になって、どんなことをしたいのかは明確にしておく必要があります。それによって、地域の保健師・企業の保健師と方向性も異なってくるのでしっかりと自分の保健師像を見つめなおしてみてください。
(2)教育体制が整っていない企業は避ける
先にも述べた通り、中小企業などの小さな会社は基本的にキャリアを積んでいる人が望まれます。
稀に採用されることもあるのですが、教育体制が整っていないと、入社して苦労します。そのため、看護師1年目の場合は、保健師が何人もいる教育体制の整った企業を選びましょう。
(3)企業によっては採血を行う可能性がある
企業によっては、健康診断を独自に社内で行う所もあります。
その場合、産業保健師に採血などを課せられることもあるので、1年のキャリアでは採血が不安になるということもあるかもしれません。
ですが、採血は経験数が増えていくと慣れてくるものなので、しっかり努力すれば何とか克服できるはずです。
まとめ
保健師は、看護師1年目の方がしっかりと探せば実は保健師に転職ができる率が高いということが分かってもらえたでしょうか。
私自身は、学生時代から産業保健師に憧れていたのですが、早い段階で保健師への転職を希望しなかったのかと後悔している一人です。
もし、「看護師の経験を積んでから保健師にならないとだめだ」と考えている方がいましたら、早い段階での転職をお勧めします。
その際には、産業保健師の求人に強い転職サイトを利用すると良いでしょう。
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