産業保健師の半数以上は、大手自動車メーカーや大手電気メーカーなどの製造業で勤務しています。そのような大手メーカーの場合は従業員が1000人を超えているところが多く、産業保健師の存在が求められているのです。
メーカーにはメーカー独特の社員の特徴があり、それに伴い保健師に求められる役割も変わってきます。それらをしっかりと踏まえた上で、まずはメーカーの産業保健師の仕事内容が自分に合っているのかを見極めていく必要があります。
1.大手メーカーで働く産業保健師に求められる役割
産業保健師としての役割は、メーカー系であろうとIT系であろうと広告業界であろうと「社員の健康を増進させる」という目的は共通しています。そのために、個人面談を行ったり健康予防教室を行ったり健康診断を行っていくのです。
大手メーカーの場合、工場を持っていることが多く、メーカーに採用された産業保健師は工場勤務になるか本社勤務になるかで、中心となる業務が異なります。
本社勤務の場合はメンタルヘルスへの取組が中心となる
本社勤務の場合はメンタルヘルスへの取組が中心となります。なぜなら、大手メーカーで働く社員は基本的に激務で、非常にストレスフルな環境で働いているからです。
大手メーカーのような大企業では、うつ病で休職を願い出る社員達が後を絶ちません。産業保健師は、うつ病の社員の休職・復職などをサポートしていく他、講演会などを通して予防に努めていく必要があるのです。
工場勤務の場合は作業環境への取組が中心となる
工場勤務になった場合もメンタルヘルスへの対応は必要ですが、それよりも作業員がいかに安全な環境で働くことができるのかという点に注力していかなくてはならないのです。そのため、仕事の基本は「3管理体制」を徹底していくことにあります。詳しくは以下記事も参考にしてみてください。
【工場で働く産業保健師のお役立ち記事】
大手メーカーで求められる人材について
大手メーカーの産業保健師に求められる人材の特徴は以下の通りです。
- 社交性がある
- ある程度のビジネスマナーを心得ている
- 仕事で積極性が発揮できる
これらのポイントをおさえていることを面接等で上手く発揮することができれば、採用の道に一歩近付くはずです。詳しくは、「産業保健師の面接でライバルに差をつけるためのポイント3つ」の記事もご参照ください。
2.産業保健師が大手メーカーで働くメリット
産業保健師が大手メーカーで働くメリットとしては以下の点が挙げられます。
- 高い給与が期待できる
- 華のある綺麗なオフィスで働くことができる
- 残業は比較的少ない
- 様々な人達と関わることができる
メーカーは様々な職場がありますが、とても人気がある大手メーカーに勤める場合、高い給与も期待できますし華のある企業にて勤めることができるというのは大きなメリットでしょう。
業績の良い大手メーカーでは給与が期待できる
保健師の場合、学校や公務員として勤める場合は給与が一定になりやすいですが、自分が選んだメーカーに勤務する場合、その企業の規定に則って給与は決まってきます。一般的に大手メーカーに就職できればそれだけ高い給与を得ることができます。
アフターファイブが楽しめる!
メーカーで働く保健師は、通常は比較的残業が少ないため、アフターファイブも充実させることができます。また、勤務はカレンダー通りとなりますので、病院の看護師などとは違い、非常に規則正しい生活を送ることができるのです。
都心のオフィスでOL生活を満喫!
大手メーカーの本社は通常、都心に華やかなビルを構えているケースが多いです。そのような環境に身を置くだけで、仕事のモチベーションが上がる人も多いのです。ただし、工場は少し郊外に設立されていることが多いため注意しましょう。
3.産業保健師が大手メーカーで働くデメリット
メーカーで産業保健師として働くデメリットとしては、勤務先のメーカーによって勤務内容が異なって、激務である場合も懸念されるということです。
忙しく働きたくない人は避けた方が無難な場合も
いつも同じような仕事をするわけでなく、時期にとって多忙になる場合もあります。そのような場合に、精神的に負担となることも多く、産業保健師の離職率が高い企業ももちろんあります。もし忙しく働く可能性がある企業で、そういうのが苦手な方は応募は避けた方が良いかもしれません。
給与が企業の業績に左右される可能性がある
企業の業績によって、給与が上がったり下がったりする場合もあります。公務員ではないので、勤めるメーカーによって、とりわけボーナスに差が生じる場合もあります。一定の給与を安定してもらえるわけではないので、その点においてもやや不安感があるでしょう。夜勤などもないため、看護師から転職した場合、給与が下がってしまったという方も多々、いらっしゃいます。
4.保健師が大手メーカーでの募集求人を探す方法
保健師がメーカーでの募集求人を探すには、まずは看護師転職求人サイトに登録してみましょう。最初に気になるメーカーがあるなら、その企業のホームページを見て、募集があるかどうかチェックするのも良いですが、あまり効率的ではありません。
看護師転職求人サイトに登録し求人情報を逃さずチェック
企業のホームページに求人の募集がなされても、すぐに定員に達してしまい、募集があっという間に締め切られてしまう場合もあります。タイミングを逃してしまえば、そのメーカーに応募することができないので、あらかじめ看護師転職求人サイトに登録して、利用することがおすすめです。
様々なメーカーの求人情報を見ることができる
看護師転職求人サイトに登録すると、様々なメーカーの求人情報を見ることができます。その中で、これまであまり意識していなかったメーカーの情報も得ることができるので、転職の選択肢の幅が広がります。沢山の求人の中から、自分に合っている転職先を選ぶことができるので、ミスマッチも少なくなり、企業と応募者のウインウインの関係も築きやすくなります。
面接や履歴書の書き方も指導してもらえる
転職サイトのスタッフからは無料で面接や履歴書の書き方も指導してもらうことができます。今まで病院などでしか働いたことがなかった保健師の場合はぜひこのサービを活用するようにしましょう。
ハローワークと転職サイトの併用がオススメ
看護師転職求人サイトや企業のホームページを見ても、なかなかピンとくる求人がない場合には、地域のハローワークに足を運ぶのも良いでしょう。
ただ、ハローワークにはメーカーの産業保健師の求人が少なくなっているため、見つけることが難しいかもしれません。看護師転職求人サイトを中心に利用してみて、時間がある際に、ハローワークに行ってみるのが良い方法でしょう。
まとめ
産業保健師求人には、大手メーカー系のものが数多くあります。産業保健師として働く上で特に企業にこだわりがなければ、自ずとメーカー系の企業に応募することになるかもしれません。
本文でも述べた通り、大手メーカーで働く場合には本社勤務になるか工場勤務になるかで求められる役割が異なってきます。そのため、実際の業務内容については転職サイトのスタッフや面接担当者などにしっかりと確認を入れ、入職してから「こんなはずじゃなかった」という事態にならないよう注意しましょう。
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