インターナショナルスクールの養護教諭(保健師)になるのは、簡単なことではありません。なぜなら、求人数が非常に限られている上に、インターナショナルスクールの場合は外国人が採用されるケースが多いからです。
しかし、そんな状況の中でも、インターナショナルスクールで働く日本人養護教諭(保健師)は実際にいます。つまり、必要なスキルを身につけ、諦めずに求人を探し続ければ、あなたもインターナショナルスクールで働く扉が開かれるのです。
そこでここでは、インターナショナルスクールの養護教諭(保健師)に求められるスキルや、実際の仕事内容、そして求人の探し方についてご紹介させていただきます。ここに書いてあることをおさせた上で、ぜひ諦めずに挑戦してみてください。
1.看護師免許と英語力は必須
インターナショナルスクールで働く養護教諭(保健師)は「スクールナース」とも呼ばれることから、大体の場合において、看護師免許は必須です。またここに通う生徒の両親らは英語しか話せない外国人も多いことから、高い英語力も求められます。他にも、そのインターナショナルスクールごとに求められるスキルは異なるようですが、最低限、これらの2つのスキルが必須であることは念頭に置いておきましょう。以下に、詳しく説明していきます。
養護教諭免許はなくても看護師免許があればOK!
上記でも述べた通り、インターナショナルスクールで働く養護教諭(保健師)に求められる資格は、その施設ごとによって異なります。中には、養護教諭免許の取得を求めるケースもあるかもしれませんが、大体は、看護師免許があれば十分のようです。
なぜなら、インターナショナルスクールでは、一般の日本の学校のように養護教諭(保健師)が保健体育の授業などを受け持つようなことはなく、生徒らの疾病手当てや発熱時の対応など「看護業務」がメインとなるからです。
看護師としての臨床経験はアピールポイントになる
看護業務がメインとなるインターナショナルスクールでは、当然、新卒の看護師よりも臨床経験のある看護師の方が就職には有利でしょう。そのため、看護師として働いていたことがある人は、看護師として働いて得た経験・知識・評価されたポイントなどを面接の際に積極的にアピールしていくようにしてください。
欧米の看護師免許しか受け付けないところも
インターナショナルスクールの中には、欧米の看護師資格を持っている養護教諭(保健師)しか採用しないところもあるようです。その場合、日本の看護師資格を持っているだけでは、そこの求人に応募することはできませんので、無駄足を踏むことのないよう、事前に確認しておくようにしましょう。
ネイティブレベルの英語力は必須
インターナショナルスクールで働く養護教諭(保健師)に英語力が必須であるのは容易に想像がつくことでしょう。そして、インターナショナルスクールの場合は少し英会話が得意であったり、医療英会話が出来るくらいの英語力では、残念ながらつとまりません。
インターナショナルスクールの求人情報には、求められる明確な英語レベルについて記載はありませんが、必ずネイティブレベルの英語力であることを知っておいてください。
外国人の保護者に生徒の状況を詳しく説明する必要がある
養護教諭(保健師)は、生徒の発熱時や急なケガなどが起こった際に、外国人の保護者に状況を詳しく説明し、安心させてあげなければなりません。先にも述べた通り、保護者の中には日本語が一切話せない人もいます。そういった保護者らを安心させ、養護教諭(保健師)として信頼を得るためには、やはりネイティブレベルの英語力が必要なのです。
英語バージョンの「ほけん便り」を作成する
養護教諭(保健師)の大事な仕事の1つが「ほけん便り」の作成です。ほけん便りを通し、季節の感染症の情報や、健康診断・予防接種に関するお知らせを定期的に発行していかなければなりません。そして、それを読むのは外国人ですから、養護教諭(保健師)は、分かりやすい英語表現を用いた「ほけん便り」を作成していかなければならないのです。
2.インターナショナルスクールでの仕事内容とは?
インターナショナルスクールの養護教諭(保健師)の基本的な仕事内容は、一般の学校と同様に、生徒らの急な発熱・ケガの対応・健康診断の運営・管理となります。また、インターナショナルスクールでは、日本の学校のように、学校保健計画がありません。そのため、養護教諭(保健師)が保健指導を行うべきだと判断した場合は、自ら積極的に企画していかなければならないのです。
基本業務は日本の一般の学校と変わらない
養護教諭(保健師)が行う主な仕事は、どこにいっても基本的に以下のようなものになり、またそれは、インターナショナルスクールであっても特に大きな変わりはありません。
- 保健室に来た生徒の対応(発熱・ケガ・心の相談など)
- ほけん便りの作成
- 持病を抱えている生徒の服薬管理
- 学校全体の一次予防(感染症対策など)
- 遠足などの付き添い
- 健康診断の運営・管理
- 学校に通う生徒全体の健康状態の把握
このように基本的な業務内容は変わりませんが、インターナショナルスクールの場合は、日本の学校のように「学校保健計画」がないことは念頭に置いておきましょう。
保健指導の道を積極的に切り開いていく必要がある
先にも述べた通り、インターナショナルスクールは「学校保健計画」というものが存在しないため、保健指導を行う時間も設けられていません。そのため、養護教諭(保健師)が保健指導を行うべきだと判断した場合には、その内容や費用などをまとめた企画を作成し、校長に直接交渉しなくてはならないのです。
つまり、インターナショナルスクールで働くのであれば「指示待ち」で動くのではなく、自ら積極的に保健指導の道を切り開く姿勢が求められるのです。このあたりについては「保健師に向いている人の特徴とは?指示待ち人間はNG!」の記事も参考にしてみてください。
国によって健康習慣が異なることは念頭に置いておく必要がある
インターナショナルスクールに通う生徒やその保護者は、アメリカ・イギリス・オーストラリア・スイス・ブラジルなど、様々な国から来ていますから、それぞれ日本人とは異なった、独特の健康習慣を持っています。日本では「当たり前」とされていることが通じない場面も多々出てくるでしょう。養護教諭(保健師)はそういった背景も踏まえながら偏見を持たずに対応していかなければなりません。
3.インターナショナルスクールの保健師求人に応募する方法
インターナショナルスクールの求人に応募する方法は、ホームページなどで見つけたインターナショナルスクールのオフィスに直接連絡するか、看護師転職サイトを利用するかの、大きく分けて2つです。インターナショナルスクールの職員採用にいたっては、欠員がでたら手近なインターナショナルコミュニティーの中から採用していることも多いため、本気で取り組むのであれば、この両方の方法を駆使してチャンスを掴むようにしてください。
方法1:インターナショナルスクールのオフィスに直接問い合わせる
残念ながら、多くのインターナショナルスクールでは、たとえ欠員が出たとしてもホームページなどで募集をかけることはありません。そのため、働いてみたいと思うインターナショナルスクールを見つけたら、そこのオフィスに直接、問い合わせの連絡を入れるようにしてください。そこで話がまとまれば、面接にこぎつけることができるでしょう。
少しでもチャンスを広げるために、出来るだけ多くのインターナショナルスクールに問い合わせを入れてみることをオススメします。
問い合わせの際はもちろん「英語」で!
「そんなこと当たり前でしょ!」と思われてしまうかもしれませんが、問い合わせの際は必ず「英語」で話してください。「ついうっかり日本語で話してしまった」なんてことがあると、それだけで門前払いされてしまうことも考えられます。
採用試験は問い合わせの段階から始まると思って、気を抜かないようにしましょう。
方法2:看護師転職サイトを利用する
看護師転職サイトも、併せて利用してみてください。看護師転職サイト上では見つからなくても、その転職サイトの「非公開求人」の中に、インターナショナルスクールの求人が隠れている可能性があるからです。看護師転職サイトは多数ありますから、保健師や養護教諭求人を多く持つ転職サイトを選ぶようにすると良いでしょう。
インターネットで検索する際は「インターナショナルスクール 看護師」
インターナショナルスクールをインターネット上で探す際には「インターナショナルスクール 看護師」と検索するようにしてください。スクールナースと呼ばれていることもあるのか、「インターネット 養護教諭(保健師)」では、あまり検索に引っかかりません。タイミングが合えば、看護師転職サイトが掲載しているインターナショナルスクール求人を見つけることができるはずです。
まとめ:英語力に自信があるならチャレンジしよう!
インターナショナルスクールの養護教諭(保健師)に一番求められるスキルは、やはり「ネイティブレベルの英語力」です。また、自身で保健指導の道を積極的に開拓していかなければならないことから、面接の際などには、仕事に対する前向きな姿勢をアピールしていく必要があるでしょう。繰り返しになりますが、求人数は非常に限られているため、なれるチャンスはそうそうあるわけではありません。しかし、もし英語力に自信があるのであれば、チャレンジしてみる価値は充分にあるはずです。
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