近年では、保健師が活躍できる幅が広がっています。そして、保健師が活躍できる職場の1つとして「保険会社」が注目されています。保険会社は大まかに言えば「健康」を扱う仕事ですから、保健師が関わる必要性も何となく察することはできますが、具体的にどのような役割が求められているのか把握している人は少ないのではないでしょうか。この記事では主に、保険会社に勤める保健師の役割について詳しく見ていきます。
1.保険会社の保健師の役割とは
不慮の事故に遭ってしまったり、突然病気になってしまった時、多くの人は一時的に収入を失う形になります。そんな突然の事態にも路頭に迷わず、治療に専念できるようサポートしていくことが、社会的な保険会社の役割です。そのような保険会社において、保健師が求められている役割をまとめると以下のようになります。
- 被保険者の診断書の精査
- 被保険者のセカンドオピニオンのアドバイス
- 契約者から寄せられた健康相談に対応
このように保険会社に務める保健師は、地域や学校に務めている保健師と同様に対象者の疾病予防に関わっていくことがよく分かります。保険会社においても契約者においても双方にメリットがあるのは、契約者が健康でい続けることです。大きくまとめてしまえば、保険会社における保健師の役割は、契約書の健康維持・増進につとめることだと言えます。
被保険者の診断書の精査
保険会社には、不慮の事故や病気に備えることができる様々なサービスが用意されています。また、それらのサービスにおいては「お金さえ払えばどれでも受けられる」というわけではありません。事前に被保険者から、申し込み時点での健康状態が分かる診断書を提出してもらい、保険会社で精査した上で一番適切なサービスが提供されることになっています。
ポイント!
双方にとって利益のある適切なサービスを提供していくためには、医療知識が豊富であるスタッフの見解を取り入れる必要があるため、最近では保険会社においても保健師や看護師などを採用するケースが増えているのです。
今後ますます需要は増え続ける
高齢化や医療技術の進歩が目まぐるしい昨今、今後更に保険会社おける保健師の重要性は高まってくることが予想されるでしょう。医療制度くらいであれば、専門の医療従事者ではなくても把握することは可能です。しかし、複雑な病態生理や今後の予測においては医療従事者を頼っていくしかありません。そのため、今後はより多くの保険会社が保健師の必要性に目を向けていくでしょう。
被保険者のセカンドオピニオンのアドバイスをする
病気の診断は医師によって見解が異なり、また東洋医療・西洋医療含め現代は治療法も多数あるためセカンドオピニオンを希望する人が増えています。セカンドオピニオンについては賛否両論あるところですが、患者が主体的に治療に取りくんでいくためには有効な手段です。しかし中には、そのような医療の知識を全く持たず「とりあえず医者の言うことを聞いていればいい」という患者もいます。もし、その医師が雑な診断をするタイプであった場合、その被害は契約者にも保険会社側にも双方に及びます。
医師の「雑な診断」は受け付けない姿勢で
契約書の状態と診断書を照らし合わせ、保健師を含む保険会社のスタッフは、その診断が本当に正しいのかを見抜いていかなければなりません。そして、もし保健師が「この医師の診断は雑な可能性がある」と判断した場合は、被保険者に対しセカンドオピニオンをすすめていく必要があります。
契約者から寄せられた健康相談に対応する
保険会社には契約者に対し健康相談用のコールセンターを設置しているところがあります。契約者は、健康上の問題を抱えた時にそこへ連絡し相談を受けることができます。そこでは、医療知識が豊富な保健師や看護師が対応することになります。また、そのようなコールセンター以外でも、保健師は契約者の方と直接面接で健康相談にのることがあります。
保険会社によっても保健師に求められる役割は違う
保険会社の保健師に求められる代表的な役割を紹介させていただきました。しかし実際は、会社の風潮や特性によっても保健師に求められる役割は異なります。そのため、もし保険会社に応募するのであれば事前に、その保険会社で求められる保健師の役割について情報収集をしておく必要があります。
2.保険会社の保健師に求められるスキル
保険会社の保健師に求められるのは何と言っても、保健師(場合によっては看護師)の実績であると言えます。また保険会社の保健師は、他の行政保健師達よりも社会性が強く求められます。そのため、臨床経験と共に何らかの形で社会性や一般社会のマナーについて身につけておく必要があります。
保健師としての現場経験か看護師としての臨床経験が必要
保険会社の保健師は、他の一般的な業界で働いている保健師よりも独特の仕事内容です。また、看護師のように医療現場に特化していればいいというわけでもありません。しかし、いずれにしても医療関係者としての実績が必要であり、新卒の保健師に務まるような役割ではありません。
医療専門職が弱い社会人マナーも必要
企業保健師の経験がある場合は話が別ですが、保健師や看護師などの医療専門職は一般社会と触れ合う機会が極端に少なく、一般常識や社会人マナーにあまり精通していないことがほとんどです。しかし、保健師が雇われているような保険会社は一般的に大手企業であることが多く、一般常識や社会人マナーを身につけておくことは必須です。医療従事者といえどもそこに例外はありません。そのため、もし保険会社への転職を考えているのであれば、本やセミナーなどで社会人マナーのついて学んでおくことをオススメします。それらは、実際の面接においても必ず役立つはずです。
3.保険会社の保健師の転職求人の探し方
保険会社へ転職する場合は、必ず転職サイトを活用するようにしましょう。もし、保険会社で人事を担当している知り合いがいるのであれば、その人脈を頼るのがベストです。しかし、実際はそのようなが人脈がある人は少ないでしょう。また、保険会社の保健師求人に関しては一般的に公開しているものが非常に少なく、個人で情報を集めるのにはかなり限界があります。
給料などの待遇面は転職サイトに聞いてみる!
転職においては、給料がどれくらいたもらえるのか、またどの程度の福利厚生が得られるのか非常に気になるところです。しかし、求人情報を個人で集めることが難しい保険会社の場合は、もちろんそれらの情報を個人で得ることは不可能です。しかし、保険会社の保健師求人を載せている転職サイトであれば、コンサルタントが情報を持っていますのでそれを使わない手はありません。
ポイント!
もしインターネット上では保険会社の求人が掲載されていなかった場合でも、非公開求人となっている可能性があるため、まずは保健師求人を多数掲載されている転職サイトに直接問い合わせることをオススメします。
別の記事でも転職時の採用について詳しく載せているので是非参考にしてください。「保健師として転職採用されるための4つのポイント」
まとめ
保険会社の保健師に向いているのは、医療の知識が豊富であり1人の社会人として更にステップアップしたいと考えている人ではないでしょうか。また、産業保健師分野に興味のある人も、向いていると言えるでしょう。現在、保健師として、新たな道を開拓しようと考えている方は、ぜひ選択肢の一つに入れてみてください。
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