OLとは、業種に関わらず「オフィスで働く女性」全般を指す言葉として用いられています。
そのように考えれば、産業保健師はオフィスで働いているため、一応、OLと位置づけられるでしょう。
しかし、産業保健師をOLだと言い切るには「無理があるな」と思ってしまう瞬間もあるのが実際のところです。
1.産業保健師は確かにOLだと思う瞬間
私が産業保健師として働き始め、「これぞOL!」と思える瞬間は以下の通りです。
(1)週休二日制でアフター5を有効活用する瞬間
企業により始業・終業時間は異なるでしょうが、大体平日9時から17時の勤務となり完全週休二日制であることは、産業保健師がOLだと最も思える瞬間です。
残業が少ないところであれば、アフター5を有効に活用できます。
また土日休みになるため、家族や友達と時間を合わせやすくなるでしょう。その分、病院や銀行に行きにくくなったり、どこに行っても混んでいたりという不便さもあります。
ポイント!
私も転職した当初は、5日連続勤務、毎朝早起き、通勤ラッシュの電車に慣れるのが大変でした。
しかし毎週土日連休のおかげで、ゆっくり休むことができました。何より夜勤がないのが良いです。
(2)オフィスカジュアルな服装が求められる瞬間
産業保健師は、ジーンズ・短パン・サンダル・ミュール禁止など、スーツに準じたオフィスカジュアルな服装が求められるためOLだと思えます。
身なりに関して、病院でも度が過ぎると注意されますが、企業は病院より厳しく、男性社員だと通勤はスーツと社内規定で決まっているところもあります。
髪色や化粧にも気を遣う必要がある
産業保健師は、髪の色も明るすぎる茶髪だと印象があまりよくありません。
また病院の時は化粧なしのすっぴん状態で出勤することもありましたが、会社は外部の方と会う機会も多く、きちんと化粧して行っています。
(3)外でランチを楽しめる瞬間
産業保健師として働いていて、ランチには財布持って連れ立って外に行くのというのもOLという印象です。
病院だと着替えて外に行くのが面倒だったり、休憩中にも受け持ち患者に何かあると呼び出されたりするため、外でランチというのは難しいでしょう。
企業は立地が良いため周囲にお店が多い
企業の場合、規模が大きいと社内食堂があるところや、立地が都心であるため周囲にお店が多くあります。
私も上司や同僚とよくランチに行きます。夜は高そうなお店でも昼ならリーズナブルであり、たまに上司が奢ってくれるのが楽しみです。
(4)自分のデスクやパソコン、名刺がある
自分のデスクとパソコンや名刺があるということは、産業保健師がOLだと思える瞬間です。
産業保健師はそのデスクで座って業務することが多く、メールでの連絡作業も多いため自分専用のアドレスも支給されます。
また、名刺があることで会社に属しているという責任も感じます。
2.やっぱり産業保健師はOLだと思えない瞬間
一方で、産業保健師は「やっぱりOLではない」と思う瞬間もあります。
(1)会社の事業内容や業績などの理解に乏しい
産業保健師は、会社を見ているのではなく、会社が雇っている社員を見ています。
そのため一般の社員に比べ会社のことを詳しく理解しておらず、事業や業績の理解に乏しいということは、産業保健師はやはりOLでないと感じる一因です。
詳しい事業内容などは、働いているうちに徐々には知っていくため、このような仕事もしていたのだと新たに発見することもあります。
ポイント!
私は社内報で、自社がこんな仕事もしているのだ、海外にも支社があるのだと気付くことがあります。社内報はよく読むことをおすすめします。
(2)白衣を着る瞬間
産業保健師は出勤すると白衣に着替える場合が多く、医療従事者と認識しOLだと思わないことがあります。
下記で述べるように企業によっては、産業保健師が医療行為をする機会があるため、白衣を着用するのです。
(3)医療行為をする瞬間
健診や診察があるところであれば、産業保健師は毎日、採血や心電図計測などの医療行為を行います。そのため「OLとは違う」と思ってしまうでしょう。
保健指導がメインのところでも、再検査のため、まれに採血がある場合があります。
3.OLに憧れて転職を考える看護師へ
ファッション雑誌でよくOLの服装、ライフスタイルなどが特集されるのを見て、OLに憧れて産業保健師への転職を考える看護師も多いのではないでしょうか。
私もOLに憧れて転職を考えた1人でした。
憧れだけで転職できるほど甘くない
OLのように会社で働きたくて、病院で働くより楽そうだから、夜勤したくないからなど、看護師を辞めたくて、産業保健師に転職できるほど甘くはありません。
それは、そもそも産業保健師は求人も少なく、真剣に産業保健をやりたいと考えている看護師も大勢いるからです。
ポイント!
産業保健の業務は何か、自分にとって看護師よりも働きたいことなのかをよく考えて、転職活動に望んでほしいです。
まとめ
病院の看護師から企業の産業保健師に転職すると、OLになったのだと実感することが上記のように多々あります。
仕事の対象者が患者ではないため、対象が元気に回復していく様子を見たり、看護をして感謝されたりすることは少なくなりますが、会社を支える裏方のような存在となります。
どのような仕事でも、産業保健師として、OLとして、会社ライフを楽しむことが大切です。
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