このページでは、保健師が警察署に転職をするために知っておきたい4つのポイントを紹介していきます。
それぞれのポイントをしっかりと踏まえ、より良い転職活動に臨みましょう。
1. 保健師の警察署での仕事内容
保健師の警察署での仕事内容は、産業保健師の仕事内容とほぼ同じと考えていいでしょう。産業保健師は、企業に勤める社員の健康管理を中心とした仕事を行いますが、警察署で働く保健師も、社員が警察署の職員に置き換わっただけで、ほぼ似たような業務を行います。
職員の健康相談や保健指導
具体的な仕事内容としては、まず職員の健康相談に乗ることや保健指導を行うこと、また健康についての教育を行うことなどがあります。職員に疾病がある場合には、集団感染しないように予防対策を講じたり、個別プログラムによる管理を行います。
職員の健康診断の実施と結果のフォロー
また、職員のための健康診断の計画を立て、その実施と結果についてのフォローまで一貫して行います。また、ケガなどの場合は応急処置を行うこともあります。職場環境にも気を配り、より良い職場環境を作るための教育・指導も行います。
警備実施時の救護
警察署で働く保健師の仕事内容が産業保健師と大きく違うところは、警備実施時などの救護を行うということです。警察官という職業柄、警備を実施している時に不意の事故に遭うことが想定されますので、その際の救護活動を行わなければなりません。
ポイント!
もちろん重症の場合は病院に速やかに搬送しなければなりませんが、それまでの救護活動は保健師が担当する仕事です。
産業保健師は、簡単な応急処置ぐらいしか求められませんが、警察署で雇われる保健師は「警備実施時などの救護」という仕事項目が正式に設けられていますから、この項目についての専門知識やしっかりとした心構えが求められます。
2. 警察署で働く保健師に求められるスキル
保健師が警察署で働くのに求められるスキルは、基本的に産業保健師に求められるスキルと同じです。産業保健師は企業の医務室で1人か少人数で働きますが、警察署で働く保健師も、警察署に設置されている医務室で、ほとんどの場合1人で働きます。
心理カウンセラー的な業務を行うスキル
しかし、警察署で働いている職員の中には、犯罪や重大事件に関わっている人も多く、通常では考えられないような大きなストレスを抱えている場合もありますので、そのような重いメンタルケアも行えるだけのスキルが必要です。
極端な場合は、犯人を銃殺しなければならない職員や、自分のせいで犠牲者を増やしてしまったなどというように深い心の傷を負う職員もいますから、そのようなトラウマのケアを行うことも出来る能力のある保健師が求められます。心理カウンセラー的な業務を行えるだけのスキルまで必要とされるのが、警察署で働く保健師です。
専門的な知識と度胸
警備実施時などの救護を行うことも警察署の保健師には求められますから、まずは専門的な知識と共に度胸も求められると言えます。警備実施時にはどんな不意の事故が起こるかわかりませんから、そのような場面に臨機応変に対応出来る成熟した人格が求められます。
不意の事故では咄嗟の判断力も求められますから、優柔不断な人は向いていません。速い判断力とどんな場面でも動じない強い度胸、それに加えて救護についての深い知識が求められる仕事です。
3. 警察署で働く保健師の平均給与
(以下の金額についての出典先は、「看護師コミュニティ」と「保健士の転職に強い求人サイトは?」です。)
月収とボーナス
警察署で働く保健師の月給の平均は約190,000円前後と言われています。しかし、地域によって差があり、初任給が214,000円という所もあります。それにプラスして1年に2回、年間4ヶ月分近いボーナスが支給されます。
各種手当の充実
各種手当も充実しており、稀に残業が発生する場合は、必ず時間外勤務手当が支給されます。その他にも通勤手当や住居手当、扶養手当や期末・勤勉手当などが付くので、平均月収は比較的低いとはいえ、全体的に見ると良い条件となっています。
福利厚生の充実
福利厚生も充実しており、医療制度として、ケガや病気などの際の医療費は、職員とその扶養家族共に7割を警察共済組合から負担してもらえます。家や車の購入資金や進学などに必要な奨学金を貸し付けるという資金貸付制度もあります。職員を対象とした自動車保険や生命保険など、各種保険制度とカード事業なども利用出来ます。
また、プールやボウリング場やスキー場などの施設を施設利用券などによってオトクに利用出来ます。更に警察職員互助会がリゾートホテルやゴルフ場の法人会員権を所有しているので、それらの施設を会員料金で利用することが出来ます。その他にも結婚、出産、子供の入学など人生の節目において様々な祝金が支給されます。
長期的に安定した生活を送れる
警察署で働く保健師の場合は、能力主義に基づく昇給制度もあります。また、民間の企業と違い、給与額が景気に左右されることもないので、長期的に安定した生活を送れるという利点があります。
4. 保健師が警察署の求人を探す方法
警察署での保健師の募集求人を探すために、まず募集状況を把握しておかなければなりません。
警察署のホームページをチェックする
それには警察署のホームページをまめにチェックするのがいい方法です。警察署で保健師が募集されるのは大変稀で、年に1人~数人程度しか募集がありませんし、保健師の募集は不定期に行われますので、まずはホームページを頻繁にチェックすることが大切です。そこには「職員採用案内」というページや「募集状況及び職種案内」というページがありますので、そこを定期的に閲覧することが大切です。
看護師転職求人サイトへ登録する
警察署の保健師の求人は、警察署が直接募集をかけますが、現在では看護師転職求人サイトなど、インターネット上の転職サイトから情報を得ることが出来ます。そこにあらかじめ登録して相談しておけば、突発的に発生した募集などについても教えてもらうことが出来ます。警察署の保健師の求人情報は警察署のホームページなどから得られますが、看護師転職求人サイトを利用すると、面接対策や過去の傾向などについても教えてもらえます。
警察署の面接試験は一次面接試験に加えて専門面接試験も行われますから、早目に専門の対策アドバイスをもらっておくと大変安心です。受験資格の中には、禁固以上の刑に処せられた経験のある人や懲戒免職になったことがある人などという特殊な人に対する受験規定がある場合もあるので、専門的なアドバイスをもらうことは大変役に立ちます。
ポイント!
警察署の保健師の求人は、ハローワークからは得られませんから注意が必要です。それよりも看護師転職求人サイトに登録しておくと、自分一人では見付けにくい募集情報についても紹介してもらえ、情報網が広がります。
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