看護師や准看護師など、これまで保健師として働いたことがない人が企業の産業保健師に転職を成功させるためには、産業保健の基礎を学び直し自分の強みを明確にし、即戦力として働けることをアピールしていかなければなりません。なぜなら、産業保健師を募集している一般企業は通常、即戦力として働いてくれる人材を求めているからです。
つまり、これまで医療施設でしか働いたことのないような看護師などは、産業保健師への転職が基本的に不利なのです。その不利な状況を覆すには、先に述べたようなことをする他に、看護師転職サイトを上手く活用していくことをオススメします。
1.まずは産業保健師の基礎を復習する
突然ですが、あなたは産業保健師の役割や仕事内容についてすぐに答えることができますか。学生の頃のうる覚えの知識に頼るのではなく、このあたりの情報をしっかり整理し産業保健の基礎を学びなおすことで、「こんな産業保健師として活躍したい」というビジョンが明確になるはずです。
企業側は、あなたがどんなビジョンを持って産業保健師として活躍していきたいと考えているのか興味深々のはずです。
産業保健師の役割は企業で働く社員の健康を守ること
産業保健とは労働者の健康対策を行う保健活動のことを指します。つまり、一般企業の産業保健師に求められているのは、一にも二にも「企業で働く社員の健康を守ること」にあるのです。そのために、定期的な健康診断、個人面談、疾病予防にまつわる講演会等の活動を行っているのです。
産業保健師向けの雑誌は必読!
産業保健師として働く際の具体的なイメージを持つためには、産業保健師向けの雑誌を読むのが一番です。特に、実際に現場で活躍している多くの産業保健師が読んでいる「産業保健と看護」「産業保健21」がオススメです。
産業保健師へのインタビューやケーススタディについても詳しく記載されているため、これから産業保健師になりたいと考える人にとっても必ず役立てることができます。その他、以下記事もぜひ参考にしてみてくださいね。
【産業保健の基礎作りに役立つ記事】
2.産業保健師として「強み」になるポイントを明確にしておく
狭き門である採用枠を勝ち取るためには、面接の場においてあなたの保健師としての魅力を最大限にアピールしていかなければなりません。そのためには、事前に自分自身のこれまでの振り返り、産業保健師として強みになるポイントを明確にしておくことが得策です。
例えば、以下のような経験は、産業保健師として実際に働く上でも非常に役立つ可能性があり、重宝されることがあります。
- 英語力(海外経験)
- 一般企業での社会人経験
- 公衆衛生に携わった経験
実際、上記のような経験を持つ産業保健師は、様々な企業から引く手あまたなのです。中でも、特に強みとなりえるのが「英語力」のようです。
英語力に自信があるならアピールしない手はない!
海外経験があってもなくても、もしあなたが英語力に自信を持っているのであればそれをアピールしない手はありません。特にIT企業などにおいては英語力が必須であることも多く、TOEICなどの客観的指標があれば必ず就職に有利になります。
一般企業で培われるビジネスマナーは重要
産業保健師といえど、その企業の一社員となるわけですから、他の社員同様にビジネスマナーを身につけておく必要があります。しかし、今まで医療施設でしか働いてこなかった保健師は、一からビジネスマナー等について覚えておかなければなりません。
そのため、即戦力を求めている一般企業からすれば一般企業で培われたビジネスマナーは重宝するに値するのです。もし一般企業での社会人経験がない場合は、ビジネスマナーや一般常識について、書籍などで予め学んでおきましょう。
自分が褒められてきたことを振り返る
今まで看護師として働いてきた人の中には、リーダーシップ力や後輩への指導力、患者対応など何かしら「自分がよく褒められてきた」ポイントがあるはずです。それらは、産業保健師に必要なコミュニケーション能力や積極性として評価されることもありますので、自分が今まで評価されたり褒められてきたポイントを見返し、面接でのピーアール材料に使っていきましょう。
強みは今からでも作れる!
ここまで読まれた保健師未経験の方の中には「私には何の強みもない・・・」と思われた方もいるかもしれませんが、「強み」は今からでも作ることができるのです。もし時間に余裕があるのであれば資格を取得するのも得策です。
資格取得については「産業保健師への転職に有利な資格と知識について」をご参照くださいね。
3.求人探しは看護師転職サイトを利用しよう
保健師未経験者の方の場合は特に、求人探し際は看護師転職サイトを利用するようにしましょう。その理由については以下の通りです。
- 求人情報が多数掲載されている
- 専任のキャリアコンサルタントがつく
- 履歴書や面接対策をサポートしてもらえる
- 待遇面の交渉を代わりにやってもらえる
なお、これらのサービスは全て無料で受けることができます。
産業保健師の求人を自力で見つけるのは難しい
そもそも大前提として、産業保健師の求人情報は看護師などと比較すると圧倒的に数が少ないのが現状です。そのため、自力で産業保健師の求人情報を収集するのは非常に難しいのです。また、インターネットなどに掲載されている情報においても、大体は転職サイトが関わっているものがほとんどです。
心強い存在のキャリアコンサルタント
転職サイトに登録すると、必ず1人1人に専任のコンサルタントが配置されます。コンサルタントは、あなたの希望条件をヒアリングし最適な職場を一緒に探してくれる上に、履歴書や面接対策などもサポートしてくれるのです。また、場合によっては待遇面の交渉を代わりにやってもらえるのも嬉しいポイントです。
転職サイト選びについて
一概に転職サイトと言っても、最近では多数の看護師転職サイトが存在しています。そして、中には非常に対応がずさんな転職サイトもあるのです。もし、希望の企業が決まっていない場合には転職サイト選びから始める必要があるのですが、その際には当サイトに掲載されてある「口コミ」をぜひ参考にしてみてください。
また、転職サイト利用の流れなどについての詳細は、「保健師への転職を成功させるオススメの転職サイトと注意点」の記事も参考にしてみてくださいね。
まとめ:大切なのは「即戦力」と「人間力」
ここでは、企業に対し「いかに即戦力として働けることをアピールできるか」という点に焦点をしぼってお伝えしましたが、実はもう1つ大切なポイントがあり、それが「人間力」なのです。
当然のことですが、企業としては保健師としてのスキルがある上に「この人と一緒に働きたい」と思わしてくれるような「人間力」の備わっている人材を雇いたいのです。
こんなことを言っては何ですが、保健師の経験が未経験だろうがビジネスマナーがなってなかろうが、あなたの「人間力」が評価されれれば、どんな人気な企業であっても採用されることがあるのです。
ぜひ「即戦力」と「人間力」を兼ね備えて、産業保健師の採用枠を勝ち取ってくださいね!
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1件の返信
[…] 看護師の臨床経験が十分にあるようであれば、保健師としての経験値がないことをあまり気に留める必要はありません。少しの努力や工夫で、いくらでもその穴を埋めることができます。詳しくは「保健師未経験者が産業保健師に転職する際のポイント3つ」をご参照ください。 […]