最近では、国内において外資系の企業が年々増えている傾向にあります。「外資系」と聞くと、とても華やかなイメージがあるため、保健師求人を探している人の中には外資系企業で働くことに憧れを持つ人も少なくないでしょう。ここでは、外資系企業で働く産業保健師に求められる具体的なスキルやメリット・デメリット、また気になる給与事情について、外資系企業へ転職したい産業保健師にとって必要な情報をまとめています。
1.外資系企業の保健師にに求められるスキル
2.外資系企業で働く保健師の給与事情
3.外資系企業で働くメリット・デメリット
4.保健師が外資系企業に転職する注意点
5.外資系企業での保健師転職求人の探し方
1.外資系企業の保健師に求められるスキル
外資系企業の場合、チームプレーで仕事をするというよりは個人個人で与えられた仕事を黙々とこなす、という仕事が多くなります。責任感があるというのは社会人では常識かもしれませんが、責任を持って自分一人で仕事を行う能力が必要となります。日本の企業でしか働いたことがない人にとっては、そのような外資系企業独特の方針に違和感を感じる人もいるようですが、皆さん働いているうちに徐々に慣れていっているようです。
上記のような特徴を持つ外資系企業の保健師には以下のようなスキルが求められています。
- 英語力
- コミュニケーション能力
- パソコンのスキル
一般の企業の産業保健師に求められるスキルと共通する面もありますが、「外資系ならでは」のスキルもあることが分かります。詳しく見ていきましょう。
高い「英語力」は必須
保健師が外資系企業で働く際に求められるスキルとしては、第一に英語力が挙げられます。大手の外資系企業の場合、TOEIC900点以上という高い英語スキルが求められる場合もあります。このような高水準のレベルが求められない外資企業だと、非常に倍率が高いためなかなか転職がしにくくなります。そのため、どうしても外資系企業で働きたいというのであれば、高い英語力を備えておくことは必須です。
外国人社員のメンタルヘルスを支えなければならない
外資系の企業で働く保健師には、英語を使用した高いコミュニケーション能力も必要となります。例えば、日本語が全く話すことができない社員に対して、メンタルヘルスに関する相談を受けることもあります。そのような相談にのり、外国人社員をサポートしていくためには、高い英語力とコミュニケーション能力が求められます。また、あやふやな英語力では適切なサポートが難しいことも考えられます。
ワード・エクセル・パワーポイントはそつなく使えるように
外資系企業の場合、個人で行う仕事も多くなってくるので、しっかりと仕事をこなせる能力が必要となります。パソコンも大手外資系企業では当たり前のスキルとなっています。ワードやエクセル、パワーポイントはそつなくこなせるようにしておきましょう。
転職に有利なスキルについて
外資系企業の就職は、産業保健師の中でも特に人気があります。そのため、上記のような最低限のスキル以外に加え、産業保健師の仕事に使える資格を取得しておけば、多少なりとも転職を有利に運べる可能性はあります。資格は持っておけば、持っておくだけプラスになるので、できるだけ転職前に取得しておくことをオススメします。資格取得については「産業保健師への転職に有利な資格と知識について」の記事をご参照ください。
2.外資系企業で働く保健師の給与事情
外資系企業で産業保健師として働く方の平均給与は、月収が25万円から35万円程度、年収は350万円から500万円程度となります。外資系企業は華やかなイメージが強いため、もう少し給与が良いと期待する保健師の方も多いのですが、実際は他の一般企業の産業保健師と大きく差はありません。
給与のアップダウンが激しい可能性がある
外資系企業の特徴として、給与のアップダウンが激しいということがあります。日本の企業の場合、ほぼ毎年同じような給与体系となっているのですが外資系企業の場合、業績によってとりわけボーナスは上下することが多くなります。企業の業績がどの程度、保健師の給与にも反映するのか一概に言うことはできません。しかし、外資系で働くのであれば「給与がアップダウンする可能性がある」ということは念頭に置いておきましょう。
年齢や経歴よりも実力重視となる
自分の働きが給与に反映されやすいという一面も外資系企業は持ち合わせています。それが、人によっては「一生懸命働こう」というモチベーションにつながることもあります。また、実力主義な一面もあるので、年齢や経歴を重視するより能力が高い産業保健師を求める外資系企業が多いという傾向も強くなっています。
給与を上げたければスキルアップが必須
給与を少しでも上げたいと思っているなら、スキルを身に着けるのが最も確実な方法です。先にも述べた通り、外資系企業の場合、重宝されるのが高い英語能力を持っている保健師です。外資系企業の場合、外国に支店があることもあり、そこに英語力が高い保健師を派遣するということもあるので、そこで白羽の矢が立てば給与ももちろんアップします。
3.外資系企業で働くメリット・デメリット
産業保健師が外資系企業で働くメリットとしては、日本の企業に勤めているときには味わえないようなやりがいを感じることができるということが挙げられます。また、給与も自分の仕事の働きの成果によって大きく変わって来るので、その分仕事に対してのモチベーションが上がりやすくなります。
英語力を活かしたい看護師には最適な職場
看護師の資格を持ちながら、TOEICで高いスコアを得ている方にとっては最も自分の能力を活かせる職場のはずです。英語力に自信がある方なら外資系企業で働くメリットは大きいでしょう。日本国内で看護師の英語力が活かせる職場は非常に限られています。もし、転職の第一条件が「英語力を活かせること」であるならば、病院にこだわらず、外資系企業で働くことも視野に入れていきましょう。
クリエイティブな仕事を任せてもらいやすい
外資系企業というのはとても華がある就職先です。安定性でいえば、公務員や日本の大企業の方があるかもしれませんが、クリエイティブな仕事を任せてもらいやすいのも外資系企業に勤める魅力でしょう。海外転勤がある場合もありますので、既婚者の方はなかなか難しいかもしれませんが、独身の方でどんどん仕事を行っていきたいという方にとっては最適な環境が整っています。
外資系企業のデメリットはメリットと表裏一点
外資系企業の保健師の特徴かつメリットは、「実力手技の給与形態」「英語力が活かせる」といったところにありますが、それは人によってデメリットにもなりえます。もし、英語力やパソコンスキルにそこまで自信はなく、また安定性を求めるのであれば、外資系企業への転職は避けるべきです。
4.保健師が外資系企業に転職する注意点
保健師が外資系企業に転職する際の注意点としては、どれくらいの英語力が企業から求められているのかをまず知ることです。外資系企業と一概に言っても、様々な企業があります。英語を使用しなければ全く仕事にならない企業があれば、そこまで英語力を必要としていない企業もあります。
まずはTOEICで自分の実力をはかっておく
自分の英語力がどれくらいなのか、まずはTOEICを受けてみて点数をチェックしてみましょう。その上で自分の英語力に合っている外資系企業を見つけて転職することがとても大切です。
給与形態についても事前に確認を
給与については、実際に応募する前に正確に知っておきましょう。外資系企業の場合、とりわけボーナスが能力によって変動することがあるからです。しかし、給与形態については実際に自分1人で調べづらいこともあるため、そのような場合は求人を見つけたサイトに問い合わせて聞いてみるのが一番得策です。
5.外資系企業での保健師転職求人の探し方
保健師求人を見つけるには、ハローワークや転職サイトの利用が一般的です。しかし、外資系企業においてはハローワークに掲載されている求人数は非常に少ないため、看護師転職サイトを利用することをオススメします。看護師転職サイトには様々特徴があるため、外資系企業への転職を考えているのであれば保健師求人が多い転職サイトを利用するようにしましょう。転職サイトの実際の利用の流れやオススメの転職サイト情報については、「保健師への転職を成功させるオススメの転職サイトと注意点」へ詳しく記載していますので、もしよければご参照ください。
気になる企業に直接問い合わせてみるのもアリ
気になる外資系企業があるなら、そのホームページを見て連絡してみるのも良いかもしれません。しかし、問い合わせてみても対応してもらえない可能性の方が高いかもしれません。ただし、そのようなバイタリティや熱意は転職するためにとても大切なことです。実際、このような方法で転職に成功している方もいるため、すぐにあきらめずにダメ元でもいいので、ぜひチャレンジしてみることをオススメします。
まとめ:チャレンジしてみる価値はきっとある!
外資系企業で働くことができれば、一般の病院や日本の企業では体験できない貴重な経験できるでしょう。もちろん、産業保健師として必要な根本的な役割は他と違いありません。しかし、異文化を取り入れている外資系企業は、毎日が新しいことの発見かもしれない。
ただでさえ産業保健師の求人数は少なく、その上「外資系」ともなれば更に求人枠は限られてきますが、もし英語力を活かして新しい世界を見てみたいのであれば、ここで一度チャレンジする価値は必ずあるはずです。
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