行政などの職場と違い、企業で働くとなると、その職場によって環境などが違ってくるということをまずは覚えておきたいです。また、企業の医務室で保健師が働く場合は、配属された先や企業の考えによって仕事自体や役目が異なってきます。
保健師が転職のための注意点、企業医務室求人の探し方、働く際のメリット・デメリットなどをご紹介しています。
1.保健師の企業医務室での仕事内容
健康診断であったり応急処置、健康相談などといった基本的な保健師としての業務の他にも、企業の方で、社員の健康を促進させるための企画を考えさせたり、労働環境を整えるといった業務を行わせることもあるのです。
幅広い知識が求められる企業医務室
企業医務室で保健師働く場合に技能の他にも幅広い知識が求められることになります。医務室とは言え、大学などの学校や保育園とは変わってくるのだということです。
社員が集団感染しない予防
企業の社員がウイルス等に集団感染しないように注意をするということも、保健師が行う仕事です。日常的に衛生管理をする目的で安全衛生に関する会議を開いたり、敷地内等を見回ったりということを常に行う企業もあります。
ポイント!
社員を教育する点で言うと、アルコール摂取後に運転するとどうなるかということを講義するなどの業務もあります。
保健師が企業で働く場合は、社員の健康を管理するばかりではなく、雇われている企業にいかにメリットになるかということも考えつつ仕事をしていく必要があります。社員と企業そのものの間に立つことになるので、そういった点での大変さはあります。
2.保健師が企業医務室で働くメリット
企業の医務室で働く保健師のメリットは、まず勤務が規則的だということです。企業に勤めるので、土曜日や日曜日などは休日になります。企業のカレンダー通りの勤務体系になるということです。お盆やゴールデンウィーク、そして年末年始に休みを取ることも、もちろんできます。
自分の健康面も維持しやすく残業もない
企業では夜間に働くことはないので、昼に寝て夜に働くことがなく、自分の健康面も維持しやすいです。夜勤というのは身体にはやはり厳しいものです。これまでに病院など夜勤のある職場で働いていた人にとっては、有難いことでしょう。
残業もさほどないので、終業後の時間を満喫する事も可能なのです。
年収や福利厚生も良い場合が多い
待遇面も最近では向上してきています。大手企業の場合だと保健師を採用していることが多く、ボーナスが貰えなかったり昇給できないということは少ないです。とは言え、全ての企業で良くなっているというわけではありませんので、注意したいところです。
ポイント!
企業で働く保健師は一人で全て行うことが多いので、大変さもありますがやりがいも感じられる職場となっています。ちなみに、企業で働く保健師はデスクワークが主になります。座って行う仕事がほとんどなので、立ったままでいて腰痛に悩まされるようなこともありません。
3.保健師が企業医務室で働くデメリット
企業の医務室で保健師が働く場合のデメリットとしては、同僚となる保健師の数が少ないということがあります。
すべて1人で対応する可能性が高い
医務室では1人勤務の職場が多いです。中には1人で仕事ができるのは良いという人もいるかもしれませんが、他の保健師と一緒にやっていきたいと考えている人には向きません。
それに1人で何事にも対応しなくてはいけないので、広範囲の知識がなければいけません。経験の少ない人には厳しい職場と言えるでしょう。
勤める企業の大小によって年収は激変する
企業に勤める保健師の給与は平均的に高いですが、それでも勤務先の企業によって違ってきます。大手企業だけでなく、中小企業に勤務することも多いのが産業保健師です。その企業の経営が上手くいっているのか厳しいのかによって、ボーナスがカットされたり昇給してもらえないということもあり得ます。
ポイント!
企業に勤める保健師は、他の社員と円滑なコミュニケーションが取れなければいけません。近頃では、メンタルケアをしてほしいということで保健師を置いている企業もあります。
人間関係の構築は必須条件
社員も様々な悩みを持っていますので、保健師が悩みを打ち明けられるように導いてあげる力も必要になるのです。そういったことから、会話が上手ではない人や人間関係を円滑にできない人には難しいと言えます。
4.保健師が企業医務室に転職する注意点
企業の医務室に保健師として転職する際の注意点は、転職先となる企業がどういった保健師を望んでいるかということを把握しておくことです。そうすることで、自分も企業側も合わないという事態を防ぐことができます。それに、転職をした後もキャリアアップがしやすくなります。
企業が将来的に問題ないかをチェックする
企業の医務室で働く保健師の平均的な年収は530万円ほどです。企業によって400万円から700万円と給料にも差があるので、その企業が安定していて将来的にも大丈夫なのかということも考えて応募するようにしたいです。
福利厚生の内容のチェックも怠らない
企業の医務室に勤務するということは、社員としての扱いになります。そのため、他の社員と同じように福利厚生が受けることができるということもチェックしておく必要があります。
外資系の企業の場合は注意する
外資系企業では、成果主義であることが多いので、社員はストレスを抱えているものです。そのケアをすることも、保健師には望まれるのです。保健師は個人の責任というのも重いです。
その分責任感も強くなるもので、保健師としてキャリアを積んでいく上では自信となっていくでしょう。
5.保健師が企業医務室での募集求人を探す方法
企業内の医務室で働く保健師は、大抵の企業で複数人を置く事がなく、1人のみを雇用していることが多いです。それでも行政保健師などと比べても求人自体は少なくありません。
企業医務室求人は基本的に非公開求人
コンビニなどでは求人誌が売られていますし、様々な職種を扱っている求人サイトもありますが、企業内の医務室で働く保健師はそういった媒体で募集されることはまずありません。
非公開求人としている場合が多く、他の職種と同じように探していても仕事は見つからないのです。
転職サイト登録後に非公開求人を紹介してくれる
非公開求人は看護師系の転職サイトに登録をし、コンサルタントに紹介してもらうことで、紹介される世の中に出ない求人になります。
また、怪我や病気の応急処置のみを望み看護師を募集している企業もありますが、保健師には看護師の資格もあるので、そういった職場にも応募することができます。健康相談やメンタル面での相談にも対応してほしいという企業の場合は、保健師を募集していることがあります。
まずは転職コンサルタントに相談することが企業医務室求人を探す第一歩と言えるでしょう。
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