保健師が活躍する職場の1つとして「工場」があります。大手の企業によってはいくつも工場を所有しているところがあり、そこで働く作業員の健康をサポートするのが保健師の役割です。
工場の場合は通常、複数名の保健師が採用されているため、他の企業の医務室と比較すると採用枠にゆとりがあります。そのため、ただでさえ就職が難しいとされる保健師求人の「狙い目」でもあります。
ここでは、そんな工場で働く保健師の実際の仕事内容や給与事情まで詳しくご紹介していきます。
1.企業の工場で働く保健師の仕事内容
2.保健師が企業の工場で働くのに求められるスキル
3.企業の工場で働く保健師の平均給与
4.保健師が企業の工場で働くメリット
5.保健師が企業の工場で働くデメリット
6.企業の工場の保健師求人を探す方法
1.企業の工場で働く保健師の仕事内容
保健師というと、学校やオフィスに勤務するイメージがあるかもしれませんが、企業の工場に所属して働く仕事もあるのです。工場の保健師の役割としては怪我への対応や工場内での怪我の予防、そして社員の健康を管理するというのが主になります。
職場環境の安全性を整える
職場環境の安全性を整え、労働環境を改善するというのも大切な仕事です。人員が削減されることが多くなっている世の中で、安全管理というのは大きな役割となっています。
「産業(工場)保健師の大事な仕事!「労働環境改善」について」の記事に更に詳しく記載してありますので、ぜひ見てみてください。
事故を予防するための注意喚起
工場で働く時間が長くなればなるほど、社員たちが怪我をするリスクが高まります。そのようなリスクを軽減するために、保健師として事故防止をするために注意喚起をするというのも一つの仕事となります。
作業中に怪我をした場合の迅速な対応
企業などに勤める保健師の場合、社員のメンタルヘルスの仕事が多くなりますが、工場で働く場合にはメンタルヘルスより社員の安全管理と、怪我をした場合の迅速な対応が求められます。
保健師の一日のスケジュール
以下に、工場で働くある1人の保健師のスケジュールを紹介させていただきます。
8時20分 | 出社 |
8時35分~9時 | 健診場所の掃除や健診結果通知の書類整理 |
9時10分~9時20分 | 保健師全体のミーティング |
9時30分~12時15分 | 作業員との面接・健診採血などの業務を行う |
12時15分~13時 | お昼休憩 |
13時~17時 | 午前の同様、個人に割り当てられた業務の遂行 |
17時10分 | 終業 |
通常、工場で働く産業保健師は複数名体制で動いていることがほとんどであり、リーダーに割り振られた仕事を遂行していくことになります。
様々な種類の業務を任されることを念頭に
工場で働く場合、一般的な保健師の仕事と比較してみても「ラク」だと考えている方もいます。しかしながら、産業保健師として工場で働く場合にはここに書いてある以外にも実に様々な業務を任されることがあり、仕事内容は一概に「ラク」だと言えないことを念頭に置いておきましょう。
2.保健師が企業の工場で働くのに求められるスキル
保健師が工場に勤務する作業員達を支えていくためには、以下のようなスキルが必要です。
- 膨大な数の社員をまとめられる管理能力
- 臨機応変な対応力と積極性
- 基本的なパソコンスキル
工場で働く保健師の場合、特別なスキルが必要というよりは、どちらかと言えば「総合力」が求められる傾向にあります。
膨大な数の社員をまとめられる管理能力
大規模な工場の場合、社員数も1,000人以上というところもありますので、その膨大な数の社員の健康管理と安全管理をしなくてはいけません。したがって、それらの管理能力がしっかりとある、というのが求められるスキルの一つだと言えます。
臨機応変な対応力と積極性
社員が怪我をした際には迅速な判断にて対応することも必要です。常にそのような状態になったらどう行動したら良いのか、頭の中でイメージができたり、臨機応変に対応できる力も必要となります。
安全管理のために社員に指示を出したり、個人面談では健康管理について指摘をしていく行動も必要ですので、積極的な態度を持つということも大切です。
基本的なパソコンスキル
工場勤務の場合、パソコンスキルはある程度あれば問題がありません。ただし、マイクロソフト系のワードやエクセルくらいは問題なく使えるようにしておきましょう。
パソコンスキルについては「産業保健師に必要なパソコンスキルを身につける方法」の記事も併せてご参照ください。
3.企業の工場で働く保健師の平均給与
一般的に産業保健師の給与の平均は、年収400万円から500万円程度だと言われています。もちろん、就職する企業によって給与の額は変わってきたり、年齢や経験によっても給与は大きく異なります。
しかしながら、企業の工場で産業保健師として働く場合、おおよそこの程度の給与だと考えておけば問題ないでしょう。
派遣の平均時給は1700円~2000円
工場で働く保健師の中には派遣形態で働く人も数多くいます。その場合、時給平均は大体1700円~2000円のようです。なお、企業によっては時給2500円のところもあり、大きく幅があるのが現状です。
昇給があまり期待できない職場もある
企業によっては昇給があまり期待できない職場もあります。もちろん、勤続年数が長ければ長いだけ、退職金が多くなるのでできれば1つの企業に長く勤めるのも良いのですが、トータルで考えてみて収入の面を客観的に見る視点も大切です。
4.保健師が企業の工場で働くメリット
工場で産業保健師として働く場合、残業が少ないというのが大きな魅力です。健康診断の直後など忙しい時期も稀にありますが、基本的に激務である仕事ではないことがほとんどで、働きやすさは抜群でありプライベートとの両立も容易です。
肉体労働が少ない
工場の場合、もちろん楽な仕事ではありませんが、社員の健康と安全を管理するというのが大きな仕事ですので、肉体労働が多いわけでもなく結果的に精神的にも比較的負担が少ない職場なのです。
穏やかな雰囲気の中で働くことができる
職場は病院のようにピリピリした環境ではなく、比較的穏やかな雰囲気の中で働くことができます。そのため、働いているスタッフにも余裕があり、人間関係のいざこざも少ない傾向にあるようです。
もう病院には戻れない?!
急性期病院から工場へ転職した看護師の中には「病院のように怖い人もいないし、そこまで忙しくもないし、もう病院に戻ることはできない・・・」という声も実際に聞かれているのです。
夜勤もなく、仕事もやりがいがありますので、非常に人気のある仕事となっています。求人サイトに掲載されるとすぐに定員になってしまいがちですので、気になるなら早めに応募するのが良いでしょう。
5.保健師が企業の工場で働くデメリット
保健師が企業の工場で働く場合、仕事の内容も楽そうに見えて、給与も比較的高めなのでメリットばかりだと考えがちですが、デメリットも何点かあります。
安全管理に対する責任が重い
工場内で事故やケガが生じないように安全管理をすることが保健師の大事な役目の一つですので、もし事故やケガが生じてしまった際には責任を取らなければいけない、ということもあります。
注意を怠ると社員の命にかかわることも・・・
医療機関のようにいつも命の危険にあうという職場ではないものの、注意を怠ることによって社員の命にかかわることもある、という一種の責任は負わなくてはいけません。
給与が安定しているとは限らない
企業の工場で働く場合、その企業の給与体系によって収入が決まってきます。企業は自治体と違い景気に左右されやすく、実績がなければ給与が下がる場合もあります。
ボーナスが想像以上に少ないことも
ボーナスに関しても想像以上に少ないということも多くあり、安定した給与をもらいたいと、考えるなら公務員の方がオススメかもしれません。
6.企業の工場の保健師求人を探す方法
保健師が企業の工場での募集求人を探す方法としては、看護師転職求人サイトに登録することから始めましょう。一般的な求人サイトの場合、なかなか工場勤務の保健師の仕事が見つけにくくなります。
その点、看護師専門の転職求人サイトなら、あなたにぴったりの求人が見つけやすくなりますので是非、探してみてください。
サイト選び迷ったらランキングを参考にしてみて
看護師転職求人サイトは様々なものがありますので、どこに登録しようか迷ってしまうこともあるでしょう。そのような場合には、ランキングで上位のところから順番に登録していくのがオススメです。
登録だけなら1分程度で完了
最近の看護師転職求人サイトは、登録がとても簡単になっていて、登録だけなら1分程度で完了します。働きながら転職先を探している場合、どうしても忙しくて時間がないのですが、1分程度なら隙間時間にさっと登録することができるでしょう。
自動的に最適な転職先を見つけてくれる機能付き
一度登録して条件を入れておくと、自動的に最適な転職先を見つけてくれる便利なサービスが展開されている看護師転職求人サイトもあります。
1人1人に担当のコンサルタントがつく!
転職サイトにはキャリアコンサルタントが在籍しており、転職にまつわる様々な相談ができる他、保健師1人1人の希望に沿った求人案件を独自のルートで探してきてもらうことができます。
併せて企業のホームページもチェックしておこう
企業のホームページに稀に求人が募集されることがあるので、そういうものも同時にチェックしておくのもオススメです。できるだけアンテナを広げて求人の情報を得たらすぐに応募できるように、腰を軽くしておきましょう。
工場勤務は人気があるので、スピーディーに行動するのも大切です。
まとめ:保健師の基礎力が求められる現場
工場で働く作業員の安全管理は、「作業環境管理」「作業管理」「健康管理」の3つの視点から見ていく必要があり、まさに保健師としての基礎力が求められる現場なのではないでしょうか。そのため、産業保健師としての第一歩を踏み出したい方にこそオススメの現場であるとも言えそうです。
なお、産業保健師への転職を有利にさせる情報については以下の記事もぜひ参考にしてみてくださいね。
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