転職するにあたって重要視するのは仕事内容・勤務時間・休日ではないでしょうか。転職する時には事前にその3点を確認してから転職活動を開始すると思いますが、意外と見落としがちなのが1日の仕事の流れの把握です。
残業がないと募集要項に書いてあっても、勤務時間内の仕事が激務すぎてトイレに行く暇もない…、という可能性だって充分にあります。このページでは、産業保健師になった場合の1日の仕事の流れ・勤務時間・休日について詳しく解説いたします。
1.企業産業保健師の午前中の仕事の流れ
2.企業産業保健師の午後の仕事の流れ
3.企業産業保健師の休日について
4.企業産業保健師の平日休暇と長期休暇について
5.企業産業保健師の勤務時間と残業について
1.企業産業保健師の午前中の仕事の流れ
企業で働く産業保健師は企業の一員であるため、出社時間は同じ会社で働く人と一緒です。産業保健師だからといって出社時間が違う企業は一般的にないと思って良いでしょう。
出社後、産業保健師は白衣に着替えます。その後、午前中までの仕事内容を確認していきましょう。
(1):朝礼では情報を共有
始業時間になるとまず朝礼をします。朝礼内容は、その日のイベントの確認や連絡事項の共有といったところです。特になにもなければ、短時間で終わることが多いです。
企業によっては、ローテーションで毎日1人ずつ何か発表しなくてはいけないルールを採用している職場や朝礼ではなく昼礼にしている職場もあります。
(2):職場視察で情報収集
産業医や人事部の人たちと一緒に各職場をローテーションで視察します。産業保健師の1番の仕事は、同じ企業で働く人々を「病気にならないようにすること」ですので、それに乗っ取り視察を行います。
部署により着目すべきことは様々であり、技術的な部署では照明や騒音など物理的な労働環境に問題がないか観察し、営業部など日々のプレッシャーから鬱になる可能性の高い部署では、上司のマネジメント方法や雰囲気に問題がないか観察します。
(3):社員との面談(カウンセリング)1回目
健康面に不安や問題がある人と定期的な面談を行います。面談を開始するまでに、面談者の情報(経緯など)を復習しておくことを忘れてはいけません。
同じような悩みをもつ人であっても、個々の性格により対応を変えなければいけません。
産業保健師は性格の分析能力に長けていなければならないのです。基本的には、以前の面談から改善されていたことがあれば褒めてあげましょう。やはり人は褒められると嬉しいものですし、努力は認めてあげるべきです。
2.企業産業保健師の午後の仕事の流れ
午前中の仕事がランチタイムまで大幅にずれ込むことは基本的にありません。ランチライムを終えると午後の仕事がスタートです。午後の仕事の流れをご紹介いたします。
(1):社員との面談(カウンセリング)2回目
午前中に引き続き、午後も社員との面談を行います。面談で気をつけてほしいことは、面談者と依存関係にならないようにすることです。具体的な解決策を示してほしいといった訳ではなく、ただ話しを聞いて欲しい、といった人は依存性が強い場合がありますので適度な距離を保つことが必要です。
また、面談者の部署の業務内容の把握や雰囲気を把握しておくことが、きちんとしたアドバイスをするための第一歩です。
(2):社内研修やその他資料作成など
企業によりますが、健康についての社内研修を行うことがあります。プレゼンするときもありますし、他の産業保健師のプレゼンを聞く側のときもあります。そういったイベントがないときは、次回のプレゼンに向けての資料を作成したりします。
また、質の高いプレゼンをするにあたって社内の情報収集は必要不可欠です。普段から他部署の社員とコミュニケーションをはかっておきましょう。
他にも事務的な作業などがありますので、面談が入っていないときの空き時間を上手に活用して、円滑に仕事がまわるようにしています。
(3):1日の業務まとめとこれからの面談準備
業務時間が終わりに近づいてきますと本日行った面談結果の入力や、健康診断の結果を見て面談が必要な人にはその連絡をいれます。必要な業務が終われば、定時になるまで明日に向けての事前準備をして1日の業務を終えます。
3.企業産業保健師の休日について
企業産業保健師が人気の理由は、休日がしっかりとれるといった理由が上位に入ってくるのではないでしょうか。1度産業保健師として就職したらなかなか辞めない、と言われている理由も納得の企業産業保健師の休日事情を確認していきましょう。
(1):企業産業保健師の休日はカレンダー通り
働く企業が土日祝日休みを休日と設定している場合、企業産業保健師も企業の社員の1人であるため、もちろん他の社員と同じカレンダー通りの休日です。病院や介護施設などでは、完全土日祝日休みという勤務体系で働くことはとても難しいです。企業産業保健師はそれを実現させてくれます。
(2):土日祝日休みは家庭と両立しやすい
家庭をもっている人の場合、土日祝日休みの仕事は本当にありがたいのではないでしょうか。ご主人が普通のサラリーマンでしたら休みが同じになりますし、学校に通っている子どもがいる場合も同じことが言えます。
バリバリ働くのも良いことですが、やはり家族と同じ時間を過ごすことが家庭円満のためには大切です。
(3):企業産業保健師の休日に関してのデメリット
完全土日祝日休みといった勤務体系が人気である一方、以下のようなこんな不満の声もあります。
- 月~金の5連勤が辛い
- 平日に休みがとりずらいのが不便
こういった不満は、元々シフト制の病棟などで働いていた方に多いようです。5連勤が辛いのは慣れるしかありませんが、子どもの行事などで平日どうしても休みが必要な場合は、有給休暇を使えば問題ないでしょう。
4.企業産業保健師の平日休暇と長期休暇について
企業産業保健師の休日はカレンダー通りの土日祝日であるとご紹介しましたが、平日休暇や長期休暇はとれるものなのでしょうか。働くにあたり、この2つはとても大事になってきますのでしっかり確認しておきましょう。
(1):少人数の職場だと平日休暇はとりづらい
企業の規模にもよりますが、産業保健師は一般的に企業につき1名や2名の在籍といったところが少なくありません。少人数ですと、自分が休んだ日に変わりに仕事をしてくれる人がいませんので必然的に平日は休みにくくなります。
大企業でしたら比較的多くの産業保健師を在籍させていますし、有給休暇取得を推進している場合が多いため平日休みを取得しやすいです。
ですので平日に予定が入ることが多く、平日休みを頻繁に欲しい人は大企業の産業保健師を目指しましょう。
(2):大企業だと2週間の長期休暇も夢じゃない!
大企業は、年末年始・ゴールデンウィーク・お盆などの休日が他の企業に比べて長い場合が多いです。それは会社独自の休日を設定していたり、長期連休になるようにそこで有給休暇を使わせてくれたりするからです。
2週間も長期連休があれば海外にだって行くことが可能ですし、いいリフレッシュ期間になります。
5.企業産業保健師の勤務時間と残業について
土日祝日休みの企業産業保健師はとても働きやすい勤務体系ですが、出勤日の勤務時間や残業事情はどのようなものなのでしょうか。もちろん企業により多少の違いはありますが、ここでは一般的な勤務時間と残業についてご紹介いたします。
(1):勤務時間はだいたい9時~18時
だいたいの企業は9時~18時くらいの間を就業時間と設定しているのではないでしょうか。よって企業の一員である企業産業保健師も同様の就業時間です。通勤ラッシュにかぶるため、今までシフト制で働いていた人には少しストレスかもしれませんがそのうち慣れてくるので安心してください。
(2):基本的には残業がない
突発的に何かが起こらない限り、定時にあがれるのが企業産業保健師として働くメリットです。産業保健師に残業が少ないのは、会社で働く人々の健康増進を目的として配置されている産業保健師が残業していたは元も子もない、といった理由も含まれているかもしれません。
残業がないと就業後の予定も立てやすいですし、プライベートな時間を確保できるのでストレスなく働くことができます。時間に追われることのない生活はきっと幸せでしょう。
(3):他の部署が残業していても帰りやすい
定時を過ぎているのに他の人がまだ仕事をしていると帰りづらい…、などと感じてしまい「お先に失礼します」の一言がなかなか言えないことがあります。ですが産業保健師は同じ企業で勤める社員でありながら、全く別の仕事内容であるために仕事を手伝いたくても手伝うことができません。
ですので自分の仕事さえ終わらせていれば定時に帰っても何も問題なく、誰もそのことについて何も言いませんので帰りやすいです。
(4):企業産業保健師には夜勤がない
一般の企業ですので夜勤はありません。夜勤があると生活リズムを崩しやすく、体調不良の原因になってしまいます。ですが企業産業保健師はその心配がないため、夜勤をするのが嫌だといった人には嬉しい勤務体系です。
まとめ
企業の産業保健師として働いた場合の1日の流れ・勤務時間・休日などについてご紹介しましたがいかがでしたか。このページを読んでもらって分かるとおり、企業の産業保健師はとても働きやすい環境です。また、福利厚生なども受けることができますのでそこもメリットではないでしょうか。
ただし、その待遇の良さのせいか人の入れ替わりが少なく、企業産業保健師の求人はあまり出ていないのが現状です。企業産業保健師として働きたいかたは、転職サイトを利用するのがスムーズな転職への第一歩です。転職サイトには、ハローワークなどにでていない非公開求人を取り扱っている場合が多いです。1社登録するよりも複数登録したほうが求人とめぐり合う確率が増えるでしょう。
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[…] なお、産業保健師の仕事内容については「企業で働く産業保健師の1日の仕事の流れと勤務時間や休日について」をご参照ください。 […]