保健師への転職を検討されている皆さんは「年齢制限」に注意が必要です。たとえこれまでの経験に自信があったとしても、残念なことに、年齢制限によって落とされてしまう可能性があるのです。
保健師への転職を検討されている方は「せっかく準備していたのに年齢制限で引っかかってしまった・・・」なんて無駄足を踏むことにならないよう、事前に保健師の年齢制限についてしっかり確認しておくようにしましょう。
1.「行政保健師」の年齢制限が一番厳しい!
行政保健師の場合は、自治体によって異なりますが、年齢制限を「20代後半~30歳まで」としている行政が多く見受けられます。保健師の年齢制限は「行政保健師」「産業保健師」「学校保健師」によって全く事情が異なりますが、その中でも「行政保健師」が一番、年齢制限が厳しく設定されていると言っても過言ではありません。
行政保健師の仕事内容については「行政保健師の仕事内容と転職に必要な知識について」をご参照ください。
自治体によっては年齢制限が「25歳」のところもある
新卒を採用したいと考えている自治体の場合は、年齢制限を「25歳」としているところもあります。また、国家公務員の場合は、総合・一般職共に、年齢制限を「29歳」としているようです。
なお、東京都の場合は、経験者を求めている傾向にあるのか、40歳まで募集している自治体もあります。しかし、それは非常に稀なケースであると言えます。
年齢制限が広い求人は募集数が少ない
正職員の保健師の育休・産休の穴埋め要員として募集される求人は、比較的年齢制限が広く設定されているのですが、圧倒的に募集数が少ないようです。また、そのような「穴埋め要員」の場合は、「臨時職員」や「非常勤職員」といった雇用形態になることも念頭に置いておきましょう。
年齢制限をHPで確認し余裕を持って試験対策を
行政保健師への転職を検討されている方は、受験する自治体の年齢制限を、ホームページで確認し、逆算して、余裕を持ちながら公務員試験の準備を進めていくようにしましょう。
なお、公務員試験対策については「保健師公務員試験の流れと試験対策方法について」の記事もご参照ください。
2.「産業保健師」には年齢制限がない?!
産業保健師の募集要項に、年齢制限について書かれているケースは非常に稀です。もし書かれていたとしても「60歳未満」というような大まかな記載しかされていないようです。
産業保健師の場合は、保健師・看護師として現場のキャリアを積んだ人が歓迎される傾向にあり、特に年齢制限は設けられておらず、基本的には、何歳からでも、産業保健師への転職に挑戦することができるのです。
なお、産業保健師の仕事内容については「企業で働く産業保健師の1日の仕事の流れと勤務時間や休日について」をご参照ください。
転職を有利に運ぶのは20代後半~40代
企業としては「即戦力」になってくれる人を求めていますから、産業保健師への転職が有利になる年代は、20代後半~40代であると言えます。なぜなら、その年代の保健師が一番、若くて体力もあり積極的な活躍が期待できるからです。
つまり、あまり現場での経験がない若い保健師は、かえって、採用が不利になることもあるのです。また、通常、企業の定年は60歳に設定されていますから、50代の人も、若い世代同様に転職が難しいかもしれません。
20代前半の場合は保健師が複数人いる企業が狙い目
あまり臨床経験がない20代前半の人は、大手企業の保健師が複数人配置されているような職場が狙い目です。例えば企業の工場の場合は、保健師が20名前後配置されており、即戦力にならない人でも採用されやすい傾向にあります。
詳しくは、「産業保健師転職に必要な看護師の臨床経験は?経験が少なくても大丈夫?」の記事も併せてご参照ください。
50代以上の場合は保健師が1~2人の企業が狙い目
保健師が1~2人しかいないような企業は、新入社員を手厚くフォローする余裕がないため、基本的には経験者が圧倒的に有利です。そのため、50代以上の方で、産業保健師への転職を検討されている方にとっては、そのような企業が一番狙い目だと言えます。
3.「学校保健師」は学校の種類によって年齢制限が変わる
学校保健師の場合は、養護教諭として小学校・中学校・高校で働くのか、または大学で保健師として働くのかで、年齢制限が全く異なります。また、その中でも公立であるか、私立であるかによっても変わってくることを念頭に置いておきましょう。
ここでは、「公立の養護教諭」「私立の養護教諭」「大学」という項目ごとに、それぞれの年齢制限について解説していきます。なお、学校保健師への転職について詳しく知りたい方は「保健師が学校保健師求人に転職する5つの注意点」をご参照ください。
公立の養護教諭は各自治体が定めている
公立の小学校・中学校・高校の養護教諭の管轄は、行政保健師同様に各自治体となります。年齢制限は、その自治体ごとによって異なり「35歳未満」としているところもあれば「50歳未満」のところもあります。ただし、最近は全体的に年齢制限を緩めている自治体が増えているようです。
私立の養護教諭の年齢制限は学校独自のルールがある
私立の小学校・中学校・高校は、学校の運営に関して、全て独自のルールが存在します。よって、養護教諭の年齢に関しても、その学校によって全く異なります。なお、私立の場合は、年齢云々に関わらずその学校の「卒業生」が優遇される傾向が強いことも念頭に置いておきましょう。
大学保健室は年齢制限がないことが多い
大学保健室の求人は、基本的に年齢制限を設けていないところが多いようです。大学保健室の場合、小学校・中学校・高校の学校保健師と異なり、養護教諭資格は必要ありませんが、看護師の資格が必須です。そのため、大学保健室の場合は、臨床経験が抱負なベテラン看護師が働いているケースが多く見られます。
大学保健室の求人は看護師転職サイトに掲載されている!
非常に人気の高い大学保健室の求人ですが、これは看護師転職サイトで見つけることができます。求人数は非常に限られており、また掲載するとすぐに応募が殺到してしまうため、大学保健室で働きたいと考える場合には、転職サイトに登録し、常に最新情報をチェックしておくようにしましょう。
まとめ:保健師転職はまず年齢制限をチェック!
看護師よりも、年齢制限について厳しい保健師は、事前に希望する職種の年齢制限について把握していくことが非常に重要です。後になって「もう少し早めに調べておけばよかった!」とならないよう、保健師転職を考えたら早めに希望する職種の「年齢制限」について調べておくようにしましょう。
行政保健師は年齢制限が厳しいため、もしかしたら諦めざるをえない人もいるかもしれません。しかし、産業保健師や学校保健師の場合は、経験値が重視されていることも多く、あまり年齢制限に囚われる必要はなさそうです。また、行政保健師であっても、正職員の形態にこだわらなければ、チャンスを掴む可能性はあります。
いずれにしても、保健師転職で大切なことは、自分が希望する職種の「年齢制限」について事前にきちんと把握し、逆算しながらキャリアプランを考えていくことだと言えます。
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1件の返信
[…] 行政保健師は公務員であるため、年齢制限を「20代後半~30歳まで」としているところが多いですが、臨時の場合はそうとも限りません。臨時においてのみ、「40歳まで」としている自治体もありますし、場合によっては「年齢不問」としているところもあります。(保健師の年齢制限については「保健師への転職は年齢制限に注意!今からでも間に合う?」も参考にしてみてください) […]