産業保健師は看護師としての肩書きを持ちながらOLのような働き方ができ、企業によっては待遇も恵まれているため、看護師の中でも人気が高い転職先の1つです。そもそも求人数も少ないため、産業保健師の求人は常に高倍率であることが多いです。そんな高倍率の面接に有利になるであろう資格や知識をご紹介致します。これらは就職だけではなく今後のキャリアアップにも繋がるため、特に資格などにおいてはもし取得する余裕があるのあればぜひ挑戦することをオススメします。
1.産業保健師にオススメの資格3つ
産業保健師は看護師の資格さえあれば、他に必要な資格ありません。しかし看護師の資格や病院での臨床経験に加え、ここで紹介する資格を取得しておけば企業の面接ではなくその後のキャリアアップにも繋げることができます。
1.保健師
四大を卒業した看護師であれば、看護資格と同時に保健師資格も取得した人が多いと思います。保健師は市町村の保健所、保健センター、企業、学校などに所属し、地域の人々が健康な暮らしを送るためのサポートを行うことが主な役割です。具体的な仕事内容としては、健康相談や健康教室の開設、健康診断の管理などが主な役割となります。
看護師が保健師免許を取得する方法
保健師になるには保健師国家試験に合格する必要があります。看護師が保健師の資格を取得するためには保健師学校か短大の専攻科で1年学ぶことになります。保健師を目指せる学校選びについてはリクナビ進学を参照ください。
2.(1・2種)衛生管理者資格
労働安全衛生法により、業種を問わず、常時労働者が50人以上の事業所においては必ず一人以上は国家資格である衛生管理者試験に合格した者がいなくてはならないと定められています。また、衛生管理者の資格には「第一種」と「第二種」があり、全業種で有効なものは「第一種」となります。
衛生管理者はその職場において、社員の健康保持増進の措置、健康障害・労災の防止などに努めていく必要があります。
看護師が衛生管理者の資格を取得する方法
衛生管理者は10年以上労働衛生の実務に従事していることが代表的な資格取得条件の1つです。その他の詳しい条件などについては安全衛生技術試験協会のHPを参照ください。また、実務経験の証明についてはSAT衛生管理者公式BLOGをご確認ください。
衛生管理者の試験は特に難易度が高いわけではありませんが、最低でも1ヶ月は参考書や過去問などを解いてしっかりと準備しておく必要があります。
看護師としての臨床経験が10年以上ある方はぜひ資格取得について検討ください。
3.産業カウンセラー
産業カウンセラーは、職場での相談や教育・調査などにまつわる専門的な技術を持ち、産業社会の発展に貢献することが役割です。
また、活動領域は以下の3つとなります。
- メンタルヘルス対策の援助
- キャリア開発への援助
- 職場における人間開発への援助
看護師が産業カウンセラーの資格を取得する方法
産業カウンセラーの資格を取得するためには、日本産業カウンセラー協会が行う産業カウンセラー養成講座(通学生・通信制)を終了する必要があります。その後、学科・実技両方の合格でようやく産業カウンセラーの資格が与えらえるます。
2.産業保健師が知っておきたい知識
次は、産業保健師を目指すのであればぜひ知っておいてほしい情報について紹介していきます。中には現役の産業の保健師の方が「事前に知っておけばもっと苦労しなかったのに!」と言っていたものも含まれます。面接の時に自分のことをピーアールする材料にもなりますので、知っておいて損はないですよ。
日本産業衛生学会 産業看護部会について
日本産業衛生学会 産業看護部会とは、日本の産業看護の発展に寄与するため研修や研究を行っている団体のことです。産業看護部会が主催する研修やフォーラムの内容はこれから産業看護師としてのキャリアを積んでいくためにも、ぜひ出席しておくことをオススメします。
また、現役の産業看護師の中には産業看護師への転職準備の一環として積極的このような集会に参加し、情報取集や人脈作りを行っていた人もいます。
ただでさえ産業看護師への転職は「狭き門」と言われていますから、このような機会は積極的に活用していきましょう。
産業看護の役割とは
「産業看護師」という言葉が最近ではよく聞かれるようになりましたが、産業看護師という資格があるわけではありません。仕事が原因となる健康障害の予防や健康と労働の調和、健康及び労働能力の保持・増進を支援することが産業看護の役割です。
つまり、産業看護師という肩書きがあるわけではなく、「産業看護」という概念があるということです。
安全衛生法規と労働基準法について
産業看護師が働いていくにあたり、安全衛生法規と労働基準法とは切っても切り離せません。なぜなら、産業保健師の仕事の基準はこれらの法律に準じたものなるからです。面接の場でこれらについて聞かれることは少ないと思いますが、今後のことを考えると今から予習しておかない手はありません。
労働安全衛生法とは
労働安全衛生法は、職場における労働者の安全と健康を守り、労働災害(労働者の業務上または通勤途上の負傷・疾病・障害・死亡のこと)を防止することを目的として作られた法律です。詳しくは労働政策研究・研修機構のHPを参照ください。
労働基準法とは
労働基準法とは、事業の使用者と労働者が結ぶ労働条件の最低基準について記されている法律であり、今日にいたるまで何度も改正されています。具体的には8時間労働制や週休制など最低限守るべき条件を規定する内容となっています。労働基準法については厚生労働省のHP内にある労働基準法に関するQ&Aをご参照ください。
まとめ
産業保健師は病院の看護師とはまた違う豊富な知識が必要となります。産業保健師の場合は、いかようにも仕事をアレンジできる面白さがあると思いますが、そこに至るまでには基礎力が必要です。ここに紹介させていただいた資格や知識は必ず産業保健師としての土台作りに役立ちますので、これを機会にぜひ出来るところから手を出していくようにしましょう。
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5件のフィードバック
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[…] 産業保健師への一般の看護師の転職とは違い「看護師の資格さえあれば転職はどうにでもなるというわけではありません。産業保健師は募集枠が限られているのに対し応募数が多いため、転職においては非常に狭き門を通らなくてはならないのです。そして、その狭き門を通るためには看護師以外の資格も保有しておくと転職が有利に運ぶことがあります。産業保健師の転職に有利となる資格については「産業保健師への転職に有利な資格と知識について」の記事に詳しく記載してありますので、ご確認ください。 […]
[…] 外資系企業の就職は、産業保健師の中でも特に人気があります。そのため、上記のような最低限のスキル以外に加え、産業保健師の仕事に使える資格を取得しておけば、多少なりとも転職を有利に運べる可能性はあります。資格は持っておけば、持っておくだけプラスになるので、できるだけ転職前に取得しておくことをオススメします。資格取得については「産業保健師への転職に有利な資格と知識について」の記事をご参照ください。 […]
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